【オススメ!】 庄三郎のキッチンバサミ

庄三郎のキッチン鋏を買った。

これまで使っていた貝印のキッチン鋏が壊れたのだ。

0006_20180424120447218.jpg

0007_20180424120449684.jpg

分解洗浄できるところが気に入っていたのだが、予想外の壊れ方をした。

0009_20180424120452950.jpg

プラスチックには寿命があるので、こんな構造になっている時点で5年~10年ぐらいで消耗する前提の商品だと言っていい。

それにしても自家用で新品の刃物類を買ったのは何年ぶりだろう。

候補としてヘンケルスのツインクラシックと、同じ形の増太郎さんのキッチンバサミを検討していたのだが、どちらもドライバーを使わないと分解できないのが難点だった。用途や使用環境から汚れがたまりやすいものなので分解洗浄できるという点は譲りたくなかった。

同じ形で分解できる構造になっていて値段も圧倒的に安いのが、下村工業のヴェルダンのキッチンバサミ。
これにしようかと思っていたのだが、どこかのレビューで「折れた」と書いてあったので迷っていたら、庄三郎が同型で分解できるものを販売しているのを見つけたのだ。

006_201804241253016aa.jpg


ちゃんと分解できる。

008_20180424125302729.jpg

反対側はプラスねじになっていてスプリングワッシャが噛ましてあった。
スプリングワッシャは庄三郎の拘りだろうか。

007_2018042412530233e.jpg

011_20180424125307807.jpg

汚れが溜まるので部品は少なく形状と構造はなるべく単純な方がいいのだが。
まあ、完全分解できるわけだから面倒だけど洗えはするし、締め付けの調整ができるのは研いで調整するには必要だ。長く使うなら必要要件になるのだろうか。
ともかく暫く使ってみようと思う。

010_201804241253068aa.jpg

009_20180424125304df7.jpg

裏スキ、反りの具合は素晴らしい。
1000円台、2000円台の量産品には望むべくもない。壊れた貝印のハサミもほぼフラットだった。それでもキッチン鋏の用途としては支障無かったのだが。
鋏屋庄三郎としてはこれが当たり前なのだろう。いや、ヘンケルスクラシックも同じようにちゃんと鋏のフォルムだった。増太郎もそうだと思う。
しかしこの庄三郎のキッチン鋏、価格は3000円台なのだ。ヘンケルスや増太郎の半額ぐらい。

良い買い物をした予感。
5年ぐらい使って結論を出したい。

ところでアマゾンのキッチン鋏のレビューを読んでいるとどの商品に関してもネガティブ評価は「錆びる」ということばかり。
いつもこのブログを読んでくれている方には釈迦に説法だが、刃物用のステンレス鋼は、錆びる。包丁でもハサミでも錆びる。
スプーンやフォークなどに使われているステンレス鋼より、刃物用の硬いステンレス鋼の方が、錆びやすい。
おなじように扱おうとすることがそもそもの間違いなのだ。
知らなかった人は常識として覚えておいてほしい。
酸性の洗浄剤に漬け置き洗いなどぜっていにしてはならない。食器洗浄機もご法度だ。
ハサミや包丁といった刃物類はステンレス製でも洗い桶の中につけっぱなしにしたりせず、水分をよく拭き取って片付けなければいけない。
知らなかったひとも常識だと思って覚えておいてほしい。
関連記事

テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

竹割鉈

ヤフオクで手頃そうな竹割鉈があったので落札した。
鉈は2本持っているのだが細かい細工には重くて大きいのだ。

落札した竹割鉈の商品紹介画像。
001_20180413131930fe4.jpg

002_20180413131932142.jpg

003_20180413131932219.jpg

006_201804131319371d6.jpg

007_20180413131936604.jpg

004_20180413131934eba.jpg

005_20180413131933ff9.jpg
(以上、ヤフオクの商品写真を拝借。)


うーんこれは、アレじゃないかなあ?
と思ってはいたが、届いてみると、やっぱりアレだった。


残欠。

DSC02887.jpg

DSC02892.jpg

柄に差し込んだままずーっと使っていたようで、中子の腐食が激しい。
刀身の朽ち込みもかなりひどく、軽くざっと錆を落とすぐらいではどうにもならなかったので、あらと君でゴリゴリ削ってなんとかシノギが立つぐらいに整形してみたが。

0006_2018041313254549e.jpg

0007_20180413132546344.jpg

0008_201804131325483de.jpg

0009_201804131325511c2.jpg

0010_20180413132552af0.jpg

これ以上削るのはマズいかもしれない。
というか、そもそも形が変。
刀に詳しい方なら一見して気づくと思うが、ハマチが無いのだ。
魚ではない。刃区と書くハマチだ。
棟区(ムネマチ)はちゃんとあるのでその反対側におなじぐらいの幅の刃区が無いとおかしいのである。
どうも、刃区が無くなるまで研ぎに研ぎまくったらしい。
刀というのは包丁と違って割込みとか合わせという構造ではなく、真ん中に柔軟性のある芯棒が入っていて外側を硬いハガネでくるむという構造になっている。
指で撫ぜた感じでは、どうも先端から3分ぐらいのところから刃元にかけて、ハガネが無くなってしまって柔らかい芯鉄が出てきてしまっている気配だった。違うかもしれないが、確認のためには砥石を当ててみなければならない。刃元はこれ以上減らしたくない。
刃物としてはもう再利用不可能で寿命の可能性があると思った方がいいのだろう。

もう一本の方はちゃんと使えるし。それ一本で総額3000円ぐらいと考えると割高だが、変わったオブジェがついてきたということで良しとしようw

観光の外人さんなんかは喜びそうなのでオブジェとして活用できないかと思っているのだが、こんなのでもやっぱり「刃物」扱いになって銃刀法とか軽犯罪法の携帯規制の対象になるのだろうか?ぜんぜん切れないけど。切れなくても「少許の加工」で切れるように刃付けができると刃物扱いになる、という理屈は知っているが、物理的にハガネ切れしてそうだしなあ。
「少許の加工」ってどれぐらいよ?とか、切れるってどの程度?とか。
刃物関係の法規は判断基準がアバウトで困ります。

関連記事

テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

ベルジアンブルー

belgianblue.jpg

この牛はスーパーサイヤモードとか突然変異の奇形とかではなくベルジアンブルーというれっきとした品種だそうだ。
欧米では和牛のようなサシの入った柔らかい肉より旨味のある筋肉が好まれるそうで、肉をたくさんとるために品種改良していった結果こうなったらしい。私もA4とかA5とかいった柔らかい和牛より噛み応えのある米国牛のリブロースの方が好きだ。あまり高価な和牛は食べたことがないけど。

さて、ベルギー産の砥石を見に行って来た。

半月前に(^^;

ベルギーの天然砥石は大きく二種類あった。

ひとつは薄い卵色。
DSC02811.jpg

もうひとつはブドウ色。
DSC02816.jpg


卵色のほうが肌理が細かく、業者さんのパンフレットによると粒度は8000番~10000番相当で、ブドウ色の方は3000番相当ということだった。

ブドウ色の方の名前が、ベルジアンブルーといって、上の牛と同じ名前なのである。

パッケージに牛の写真を使えばインパクト大でいいんじゃないかと思ったのだが、

001_2018041309361896b.jpg

こんなパッケージ。おしゃれ。さすがヨーロッパ。


005_20180413111615f2c.jpg
(頂いたパンフレットの写真より引用)

こんなふうに山肌に砥石の層が露出していて、黄色い方がファインな方の砥石で採掘量が少ないらしい。BBWの方がたくさん採れるようだ。どういう地質なのかわからないのだが、堆積岩ではなく火成岩のようだ。火山灰が堆積した凝灰岩だったかな?


ベルギー大使館の寛大なお計らいで一室をお借りでき、貴重な体験をさせてもらった。

002_20180413093623f3d.jpg

訪問前にご参加いただいたみなさんから「蝶ネクタイは必要ですか?」といったドレスコード的質問をいただいていたのだが、そんなこと夢にも思っていなかった私は勝手に「ぜんぜん要りません」と回答していたが、いちおう皆さん襟付きのシャツやジャケットやネクタイ着用できちっとしていらっしゃった。
ちなみに写真に写っていない私はジーンズにTシャツでリュックサックだ(^^;

003_2018041309362193c.jpg

右が今回来日されたアルデンヌス・コチクールのトーマスさん。
左のお二人が主に英語を話してくれて大変助かった。真ん中はスペインギターの製作をされている乙竹さん。左は変な(笑)機械をいろいろ作っていらっしゃる細谷さん。私の英語は手紙のやり取りぐらい翻訳サイトを頼ってなんとかできるがリスニングとスピーキングはオールモストノットアットオールだ。

さて、肝心の砥石である。
砥粒になんとガーネットの粒子が含まれているのだそうだ。カッコイイ。日本の天然砥石は石英が砥粒になっているものが多いと聞く。ガーネットと石英はモース硬度は同程度のようだ。

研いだ感じであるが、BBWの方が砥泥が多く出る。包丁みたいな軽い刃物を曇らせるにはこっちの方がいいかもしれない。

黄色い方はコチクールというのが名前になるのだろうか。
トーマスさんに「コチクール」の意味を伺うと、「砥石」だということだった。グーグル翻訳では何語かもわからず日本語に訳してくれない。
Weblioで調べると『Wiktionary英語版での「Coticule」の意味』として「A Belgian variety of whetstone, containing spessartine.」つまりベルギーのガーネットを含んだ様々な砥石、という結果を表示してくれた。
つまり、粒子が大きめの砥石の方にBBWという特別な名前が付けられていて、稀少で細かい方は単に砥石と言われている、といったところなのだろうか。
訪問する前にネットの写真で見た感じでは伊予砥に似ているなと思っていた。しかし以前さざれ銘砥さんで購入したいくつかの伊予砥の小割れのどれよりも細かく、素晴らしい仕上砥石だった。研ぎ出しが早く刃物の方がよく削れるので黒の強い砥泥が出る。しかしカチカチの硬い天然砥石という風ではなく、砥石当たりは滑らかで、スジも引かない。
ホームページの説明にもあるように、剃刀の仕上げに良さそうだった。

小さいのをひとつ購入させて頂いた。
007_20180413124012c6a.jpg




で。

記事を書くのが大幅に遅くなったのは、この砥石でいろいろ試してみたかったからなのだが。
008_201804131240179a5.jpg

ステンレス系でも何の問題も無くよく下りる。
地鉄が柔らかめのハガネの刃物が、砥石当たりがいい感じだった。
ただ、すごく曇るわけではなくピカピカに光るというわけでもない。

なにか素晴らしい結果を出して披露してみたかったのだが、できなかった。
しかしよく考えてみると、そもそも私自身が天然砥石に大して詳しいわけでも無いし使いこなせているわけでもないので、技術的に問題がある可能性が高い。
天然砥石をよく使う人で試してみたい方がいらっしゃったら、お貸しするので、使用感をお知らせして頂きたい。

個人的には、良質な人造仕上砥石と同じように、天然砥石に特有の問題が無く、使える砥石。という感想だ。


先の北欧某国の特命全権大使さんがまた来てくれたので使ってみた。こんな感じ。
009_20180413124018077.jpg
関連記事

テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

ベルギーの天然砥石屋さん 【経過】

前回ブログの件で何人かの方からご連絡をいただきました。
ありがとうございます。

先方のトーマスさんがお忙しいようで、まだ予定が決まっていません。
今週中にはスケジュールのオファーリングが頂けそうです。
今しばらくお待ちください。

経過報告まで。
関連記事

テーマ : お知らせ
ジャンル : ニュース

ベルギーの天然砥石屋さん

砥石で刃物を研ぐのは日本独自の文化であります。的な文章をときどき見かける。しかしグラインダーの回転砥石は世界中の工業現場で使われているわけで、そもそもはじめて人造砥石を作ったのも外国だと聞いている。
たしかに刃物を研ぐ四角い砥石は日本製の物しか見かけない。欧米の包丁はヤスリのようなスティックシャープナーで刃先だけシャカシャカ研ぐのが標準だったようだ。しかし金属製のヤスリが作られたのは比較的新しい時代のことで、刃物の歴史はもっとずっと古いはずだ。磨製石器だって石で磨いてたんだから、刃物の研磨整形にはどこの国でも石が使われていたに違いない。

調べてみると昔はこんなので研いでいたようだ。
Old Timey Grinding Wheel

【出典】http://antique.charmlab.org/antique-sharpening-stone-wheel.html

少なくとも荒砥石や中砥石は世界中どこにでもあったはずで、特別なものでは無いと思う。
日本が異質なのは芸術の域まで刃物研ぎを突き詰めた点にあると思う。あるいは美濃-丹波帯で産出する仕上砥石のような高品質なものは少ないのかもしれない(あっても日本ほど珍重されていないという可能性もある)。

日本でも、いま天然砥石を採掘している業者さんはごくわずかなのだが、戦前の資料によると100以上の産地があったようだ。その多くは荒砥石か中砥石で、掘り尽くして無くなってしまった産地もあると思うが、高品質で安価な人造砥石が市場に出回るようになったことと刃物を研ぐという生活習慣そのものが家庭の中から消えて行ったことで、需要が無くなって廃業してしまったところが非常に多いと推察される。
おそらく、ぜひとも天然砥石でなければならないと言っているのは刀剣の研ぎ師と高級な鉋や鑿を使う建築木工業者さんぐらいだろう。建築業界でも現場で製材することなんかないし電動道具が主流で手動のノミやカンナは使わなくなっているし手動利器も替刃が主流なので、砥石で研ぐ刃物を使う工さんは少なくなくなっている。
稀少な天然砥石のユーザーも、必要としているのは仕上砥石である。刀の研ぎ師さんでも仕上砥石以外の荒砥石や中砥石は人造砥石を使っている。
天然の荒砥石や中砥石の需要は非常に少ない。いまでも天然の中砥石を採掘しているのは天草砥ぐらいじゃないだろうか。

日本でもそんな状況なので海外で天然砥石を採掘してるのはアーカンソー砥石の業者さんぐらいだろうと思っていた。

ところがベルギーにも天然砥石の業者さんがいるんだそうだ。
どんな人が買うんだろう?

その業者さんから先日突然メールが来た。

こんど日本に来るので砥石を紹介したいというのである。

たぶんYoutubeの動画を見て連絡をくれたのだと思うが、大きな刃物店か何かだと想像したのだろう。

面白そうなので見せてもらいに行くことにした。

私は店を持っていないのでそちらの指定する場所に出向く方が都合がいいと言うと、麹町のベルギー大使館で会えるかもしれないというお話しになった。

まだ来日されていないので具体的な日程は決まっていないが、興味がある人がいたら、一緒に行きませんか?
英語とかしゃべれるひと大歓迎です。(先方が英語をしゃべれるかどうかわかりませんが。)
来週の月曜日に来日されるとのこと。

興味のあるひとはメールください。私と知り合いじゃないひとは簡単な自己紹介もお願いします。
fe26cr24@gmail.com

砥石業者さんのホームページ
https://www.ardennes-coticule.be/en
関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

解説つき動画

寒い中にもかかわらず大阪からのお客さんが見物に来てくれた。
動画を撮っているとき一人でカメラに向かってしゃべるのは苦手なので、人がいてくれると説明しながら撮影できるので助かる。



日本語と英語の字幕を作った。
いっぱいしゃべってるので英語の字幕作成が大変だった。
間違ってないかわからないのだが、英語で「役に立った」的なコメントをいただいているので、まあまあ通用しているようだ。

関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

片刃で裏スキのある刃物は、なるべく元のシェイプを崩さないように研がなければならない。

丸包丁。本惣ともいうらしい。なぜ本惣というのかはわからない。
表具師の方が伝統的に使われている刃物らしい。
レザークラフトマンの利用も多いそうだ。

004 (2)

通常は写真の右の辺がもっとまっすぐ。これは研いだあとの写真なのだが、研ぐ前はもっと斜めだった。


裏はこんな状態。
はじめは裏押しが切れていた。

004 (3)

紙や布や革をまっすぐ切るための刃物だから、直線が大事なはず。
裏押しが切れてしまうと、刃道が曲がってしまう。

裏スキがどんな形に窪んでいるかはだいたいわかると思う。これはもともとの刃物のシェイプに準じた形になのだ。
刃物の形を大きく変えてしまうと、刃線が裏スキが深い部分と浅い部分を横切ってしまう。
すると裏押しを作るためには一番深い部分まで裏を押さなければならなくなる。

004 (1)

ギリギリなんとか裏を出した状態で、これで刃線を直線にできる。
しかしちょっと研いだらすぐに裏切れするので、都度裏押しもしなければいけない。

裏を研ぎ減らすこと自体はそれほどナンギではないのだが、研ぎすぎるとハガネの層が無くなる「ハガネ切れ」になってしまうおそれがあるのだ。

004 (4)

この丸包丁もまっすぐな辺の側が強く研がれていて、ミミのあたりがハガネ切れしていた。

004_201802201132129bf.jpg

ミミが切れないのはマズいので、このあともういちど研ぎ直してなんとかハガネが出る状態にした。

これは全ての裏スキのある刃物に共通の問題である。
片刃でも裏スキが無ければこういう問題にはならない。
出刃包丁で、裏を研ぎすぎて先の方がハガネ切れしてしまっているものを何度か見たことがある。
出刃包丁や刺身包丁は牛刀や三徳包丁以上に、元のフォルムが崩れないよう注意して研がなければならない。
関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

薄刃包丁 まっすぐじゃない?

「刃線がまっすぐじゃない。まんなかあたりが少し凹んでいる。」

という薄刃包丁。

013_201802161957319b1.jpg
014_20180216195733848.jpg



一見してもよくわからないのだが。
凹んでいるといえばそうかもしれない。

こういう包丁はまず、裏がちゃんと平らになってるか確認する。
ピカピカ光ってるからといって平らとはかぎらない。

面直しした中砥に当ててみると、

015_20180216195735ecd.jpg

020_201802161957432e1.jpg


やはり凹んでる。

ゴシゴシ研ぎ込んで裏押しを作るしかない。

016_20180216195737ca9.jpg

021_201802161957452dd.jpg

これぐらい出れば大丈夫。

切刃と裏押しを平らに研げば刃線は必ずまっすぐになる。

完成。

017_20180216195739b44.jpg

018_20180216195741791.jpg



関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

薄刃包丁本刃付け!

久しぶりに動画つくりました。



下田在住のお客様。週末に用事で東京までお越しになったついでに、薄刃包丁を2本お持ちいただいた。
動画は新品の本刃付け。
時間があったのでけっこう丁寧に研いだ。良い包丁だったし。

ふだんも研ぎ抜きはするが、基本的に切刃までゴシゴシ磨かない。切れ味は変わらないが見た目の研ぎ痕がくっきり残る。
ただ、和包丁はどうせご本人が研ぎながら使わなければだめなもので、きれいにしてもいっかい研げばムラは現れてしまう。高級割烹料亭でお客様の前で包丁を振るうとかいうのでないかぎり、研ぐたびに切刃をゴシゴシこするなんてめんどくさいことはやってらんないだろうから、研ぎムラのできる包丁はムラが見えるままお渡しした方が、ご自分で研ぐにあたってはその部分が当たればいいのだとわかって、むしろ良いかもしれないとも思っている。

関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

武峰作

昨日は、朝の天気予報では、日中曇りで夜半から雪になるという予報だった。
仕事の軽ワゴンはノーマルタイヤでチェーンもない。青山熊野神社で仕事の予定だったが凍結すると帰れなくなってしまうので、休もうかとも思ったのだが、先週も大雪明けで休んでしまい問い合わせの電話が数件あったので行くことにした。しかし4時には作業を終えて早仕舞いすることにしていた。

ところがこんな日にかぎって予想外にご依頼が多い。
昼前には当日渡しの注文をお断りすることになってしまった。

若い男性客が黒打ちの三徳包丁を持ってきた。
一見して手間はかからなそうだったので、当日中に3本研いでほしいというご依頼をお断りした後だったが、4時渡しで良ければということでお預かりした。

曇りの予報だったのに昼前からぽつぽつと雨粒が落ちはじめ、午後1時ぐらいからはしょぼしょぼと小雨が降り続ける一日だった。

男性の黒打ち三徳がこの日の最後の仕事である。
あまりよく確認しないまま受け取ってしまったのだが、手に取ってみると、刃縁の肉は全く無く、刃先も2~3か所にわざと糸刃をつけたといってもおかしくない程度のわずかな反射が見える程度で、包丁としてはまず切れ味に問題は無い、というより、相当良く切れるはずという状態だった。

こういう包丁は困る。
何が気に入らなくて研ぎに出したのかわからないからだ。
コピー用紙でも試し切りして引っ掛かりでもあったのだろうか。
ぶら下げたティッシュペーパーを一刀両断できない、なんてクレーム言ってきたりしやしないだろうか。
ともかく預かってしまったのだし刃先を整える余地はあったので、砥石に当ててみた。
1000番で簡単に刃がついた。
刃先はかなりウスウスだが全くヨレる感じがないので、焼きが硬いようだ。
よく見ると裏に「青一」と書いてあった。なるほど。
表の銘は武峰作とあった。しらない銘だった。

あらためて峰側から見てみると、先にかけて細くなっていくテーパーの加減が絶妙で素晴らしかった。

006_201802020629338cd.jpg

磨き包丁ならこういうものをいくつか知っている。しかし黒打ちでこういうのは記憶にない。
磨き包丁なら研磨で形が調整できる。しかし黒打ちということは鍛造しっぱなしということだ。強力なスプリングハンマーで打ち広げるので、これできれいなテーパー状に整形するのはブルドーザーで植木鉢に土を盛るような繊細な技術が必要ではないかと思う。

受け取りに来たお客さんに尋ねてみたところ、鍛冶屋さんが高齢でもうあまり入荷しないのだが、販売店から連絡があってたまたま入手できたものということだった。
新品の状態で料理に使ってみたものの、いま一つ切れ味に満足できなかったので、自分で研いでみた。しかし自分の砥石が湾曲していたりもするので、いちどプロに研いでもらおうと思って持ってきた、とのことだった。
自分で研いだあとは一度も使わずに持ってきた。ということだったが、たぶん自分で研いだ状態で使ってみれば満足できたに違いない。そうであってほしい。
持って来てもらったときと切れ味自体はほとんど変わらないと思いますよ。と3回ぐらい念を押してお返しした。


こういう包丁は、晴れていてもう少し暖かい暇な日に持って来てほしい。

001_201802020629250a2.jpg


002_20180202062927ce5.jpg

003_201802020629289ae.jpg

005_2018020206293107f.jpg

004_20180202062930843.jpg
関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

BROさん

Author:BROさん
東京都練馬区の研ぎ師です。
営業案内
ご依頼はこちら
ご意見・ご質問はこちら
ご利用頂いたお客様からのご意見ご感想はこちら

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QR
リンク