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柄の修理 洋型 クリーニング&接着し直し

柄の修理 パターン4 「洋型→洋型 元の柄材を再利用」

中子の状態:良好
柄材:洋型/元の柄材を再利用

作業1:柄を外す
作業2:錆・汚れをクリーニングする
作業3:エポキシ接着剤で接着する
作業4:リベットを打ち直す
作業5:研ぎ
作業6:クリーング

特徴:中子の腐食がひどくなく溶接不要で、柄材も再利用できる包丁の、標準的な作業です。

費用 4000円~ (税別/2018年6月現在)


① はじめの状態
中子が錆で膨張して柄が片方取れた。
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この段階では作業内容はまだわからない。
赤錆を落として中子の強度が十分あるか溶接が必要かを判断する。



②錆落としした状態
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これなら溶接は不要。


なお完成後の写真は撮り忘れました。スミマセン。
これがくっついているだけです。

元の状態はリベットをカシメて留めてあるだけだが、修理では接着剤を全面に塗布する。
接合力が強くなるが、その効果より、中子表面が保護されることと水分や空気の侵入を抑止する効果の期待が大きい。

テーマ : 刃物の修理
ジャンル : 趣味・実用

柄の修理 溶接 洋包丁の柄を削り出しで作成

柄の修理 パターン3 「溶接・和包丁の柄」

状態:柄の中子が再利用不能
状態:元の鞘材が再利用不能

修理方法:中子を溶接する
修理後の柄のタイプ:洋包丁の柄

欠点:コストが一番高い
利点:完成度は一番高い

費用 8000円~ (税別/2018年6月現在/刃物の種類や状態によって変動します/柄の形や色や素材は作業ごとに変わります)

(1)1本め元の状態1
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(2)1本め元の状態2
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(3)1本め元の状態3 中ほどまで破断している
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(4)2本め元の状態1
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(5)2本め元の状態2
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(6)2本め元の状態3
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(7)下の二本。
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(8)メーカーに修理依頼をしたが、断られてしまった、とのこと。
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2本とも、包丁の通常用途であれば溶接せず中子を生かしたまま再生できたかもしれない。
ナイフや鉈のように強い力を加える刃物はこの状態の中子では使えない。
今回はお客様のご依頼で費用が高くなるが万全を期するため腐食部分をカットして新しく中子を溶接し直した。


(9)完成写真1 今回の柄材はシャム柿
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(10)完成写真2
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(11)完成写真3
少しヒップアップした形にしている。研ぎ減って身幅が狭くなっても指がまな板に当たりにくいように。
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(12)完成写真4
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(13)完成写真5
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(14)完成写真6
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(15)完成写真7
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(16)完成写真8
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(17)完成写真9
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(18)完成写真7
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ヨーロッパのどこかの国ではハガネの包丁が禁止だという噂を聞いた。
そんなバカなと思っていたが、こういう作業を何本もやっていると、炭素鋼の刃体に洋包丁タイプの柄をリベットだけで留めている包丁は、私も構造欠陥だと思うようになった。

もともと包丁は錆びるものだった。ステンレスで品質の良いものが出回り始めたのは40~50年前からではないかと思う。
和包丁は柄の奥が錆びたら交換することが前提になっていて、ホームセンターでも交換用の柄が売られていて、ちょっと器用で簡単な道具があれば素人でも交換作業は可能である。

しかし洋包丁の柄は交換するということを想定していない。
交換作業はかなり手間がかかり、素人がちょっとやれるようなものではない。
リベット留めだけだと、かなり密着させていても乾燥で柄材自体が収縮し中子と隙間ができてしまうことがある。そこに水分が入ってしまうと除去することはほぼ不可能だ。中子の奥で腐食が進むと隙間はどんどん大きくなり、更に水分や汚れが進入しやすくなるという悪循環に陥ってしまう。ステンレスであればこれほど錆びることは無いので問題にはならない。

ハガネの包丁に洋包丁タイプの柄をつけるべきではない、というわけではなく、ハガネの包丁に洋包丁タイプの柄をつける場合は、リベット留めではなくエポキシ接着剤などで全面貼り付けすればいいのだと思う。そうすれば中子と柄材の隙間に水が入ることは無いのだから。
その手間で販価が3000円高くなるとしても、そうすべきだと思う。体裁よくするために鍔なんか溶接するよりよっぽど重要だ。

ガンガン使い倒すプロの料理人さんは5年もすれば買い替える人が多いだろうから、あまりクレームは無いのかもしれないが、一般家庭で10年以上使うのは普通である。そして中子の腐食の問題は10年ぐらい経って顕在化する場合が多い。
包丁屋としてはそろそろ買い替えてくれと思うのかもしれないが、刃体はぜんぜん問題無く生きているのだ。それでも気に入って使いたいと思っているお客さんの気持ちには応えるべきじゃないか。

ちなみに今回は築地正本だが、築地正本だけでなくほかの有名包丁屋でも修理を断られて、うちに送られてくるものが多い。
柄の部分に限れば新品の包丁を作るより修理の方がかなり手間がかかる故。

テーマ : 刃物の修理
ジャンル : 趣味・実用

柄の修理 溶接 和包丁の柄を挿げる

柄の修理 パターン2 「溶接・和包丁の柄」

状態:柄の中子が再利用不能
状態:元の鞘材が再利用不能

修理方法:中子を溶接する
修理後の柄のタイプ:和包丁の柄

欠点:洋包丁タイプの柄が和包丁タイプに変わる
利点:洋包丁タイプより低コスト

費用 4000円 (税別/2018年6月現在/刃物の種類や状態によって変動します)

(1)元の状態1
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(2)元の状態2
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(3)元の状態3
柄が腐食してきた包丁にテープなどを巻いて使っている人がいますが、腐食を抑制する効果はありません。むしろ水分や汚れが溜まりやすくなり逆効果です。
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(4)中子になる金属片を削り出して溶接した状態
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(5)こういう道具で柄を挿げる。
バーナーなどで中子の後端を赤熱するまで焼き、木槌で柄の後ろを叩きながら差し込む。
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(6)完成1
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(7)完成2
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柄の修理 すり上げ

柄の修理 パターン1 「磨り上げ」

状態:柄の中子が再利用不能
状態:元の鞘材が再利用不能

修理方法:刃体下部を切削し、柄に差し込む中子を作る
修理後の柄のタイプ:和包丁の柄

欠点:刃渡りが短くなる
利点:溶接より低コスト

費用 4000円 (税別/2018年6月現在/刃物の種類や状態によって変動します)


(1)元の状態
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(2)このような形でカットする
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(3)カットする
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(4)カット後の状態
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(5)柄を挿げて研ぐ。完成。
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