アルミブロック

こないだの溶接のやつ、アルミブロックの動画を公開した。



挟みやすいようにアルミブロックを加工しようかなと思っている。
簡単なので、包丁の柄の溶接で困っているひとはマネしてみてほしい。
あんまりいないと思うけど(笑)

もっといい方法があるよという情報も、あったらお待ちしてます。

作業中 柄の腐食

和包丁の柄がなんだかふくらんでいたり、洋包丁の柄が隙間ができていたら、ナルハヤで、エポキシ接着剤などをつかって隙間を埋めてしまったほうがいい。
むずかしい作業じゃない。
いちど埋めてしまえば、あとは問題なくなる。


ながいあいだほおっておくと、こうなる。

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和包丁だと、こんなふうにヒビが入る。

そしてこれを割ってみると、


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この赤錆を除去と、紙のようにペラペラになっていた。


別の包丁。

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この柄を割ってみると、


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錆を落とすと、こんなふうに。

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もう一本。
こんどは洋包丁。

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残滓をとりはずすと、

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フルタングだったら中子を延伸せずにすんだかもしれない。
しかし残念ながらハーフタング。
このまま柄をつけてもリベットが役に立たない。
エポキシで埋めるだけではもたないと思う。


3本とも、中子の延伸が必要。
3本とも、中子の生きている部分(厚みのある部分)が少なく、カットすると、ロウ付けでも溶接でも刃の焼きが戻ってしまわないか心配。

なるべく熱を入れずに対処する方法について、検討中。


つづく。

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不思議な出刃包丁の柄

花粉症の薬さえ飲んでいれば一年で最も気持ちよく仕事ができる季節になった。
中板橋も青山熊野神社も、桜満開。

さて。

不思議な出刃包丁がやってきた。

はじめ包丁を持ってこずに、

「柄が腐って茶色いものが出てきてしまった」

という相談。

とにかく見ないとわからいので現物を持ってきてもらった。

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「うっかり火であぶっちゃったらこんな風になっちゃったのよ。接着剤かしら?」

「なんでしょうね?普通接着剤なんて使わないんですが。」

「黒いところはプラスチックじゃないみたい、プラスチックだったらそっちが溶けるわよね。」

「そうですね、水牛の角でしょうね。いずれにしても包丁を火で炙っちゃダメですよ。」


上の写真で見るとちょっと柄が飛び出ているだけのようだが、

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なんか、曲がってる。

こういう風に曲がるということは、柄の中の金属部分である中子が錆びて朽ちているか、木が腐食してグズグズになっているか、どちらかだ。

いずれにしても柄はゆるゆるになっているはずなのに、なぜかこの包丁は、この状態でしっかり固定されていて、押しても引いても動かない。


この接着剤のようなもの。
ベタベタしているのではなく、固化している。
これが柄の奥で包丁を固定しているのだと思われる。

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にしても、↑この曲がったところの柄がぐらぐらしそうなものなのだが。


ともかく、ノコで切って分解してみる。

すると、

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木じゃない。
桂も牛角ではなかった。プラスチックだ。


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柄の中が広く中空になっていて、その中に樹脂を入れ込んで、そこに中子を差し込んでいる、という構造だろうか??


更に壊してみると、、、、


おお、なんだこれは!!!

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木じゃない!!!!

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全部丸ごと木じゃない!!!!

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なんと正体は、プラスチックの柄にプラスチックの桂を嵌めるという構造だった!!(笑)

持った感じも違和感はなかったので、絶対に腐食しないしという意味ではこういうのもありかもしれない。

出刃包丁らしい風情は無いけれど。

何にしても絶対に包丁を焼いちゃダメです。


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研ぎ桶にも花びらの散る春の爛漫

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柄埋め、柄の交換、謎な柄

柄の補強や修理が多い。

2月は暇だから隙間があいてるものを見ると埋めませんか?と声をかけるから、という理由もある。年末の忙しいときは見てみぬふりをしたのがたくさんあった。


これは三徳と菜切りの柄の交換。
薄刃包丁もきれいに研いでいらっしゃってかなりの上手と見受けられたので、柄の交換だけで承った。

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どちらもこれぐらい膨張してしまっていると、中子がかなり痩せてしまっていると思われる。
ヘタすると折れちゃうかもしれない。そうなるとロウ付けしないといけない。


和包丁の柄はホームセンターにもよく売っているが、5種類以上置いてるところはほとんどない。
しかし実はかなりの形の種類がある。
私がストックしている、P柄の小判型と栗型の形違いだけでも10種類以上ある。
八角や、角巻きや金巻きなどのバリエーションを含めると50種類以上ありそうだ。

自分で交換する人は包丁を持って行って幅や厚みを確認してから買った方がいい。多少狭くても焼いて入れれば広がってくれるけど、限度はある。

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謎な和洋折衷(笑)

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誰かにつけてもらったそうだが、お勝手で使うもので人様の目を気にするようなものじゃないから、使ってる人が問題なければOKでしょう。
これも他の包丁のついでで、念のために隙間をエポキシで埋めておいた。


並べて乾燥中。
冬に外で作業するときはヒーターで暖めないと、粘性が高く奥まで浸透しづらいし、硬化に時間がかかる。

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↑この5本の中の薄刃包丁の中子を別日に撮った写真。

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なぜ別日にこれだけ撮影したかというと、中子がやせすぎていたのと、柄の奥にあまりエポキシが浸透してくれなかったせいで、グラグラしていたため、やり直ししたからである。
これから10年20年と使うことを考えると、まあいっかというわけにはいかなかった。

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柄を挿げるまえにたっぷりエポキシを入れておいて、さらに柄を挿げてからも隙間をしっかり埋めた。
あらかじめ中に充填しておくのは蝋やパテでもよかったかもしれない。

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敢えての柄埋め

木屋義久の東型菜切り包丁。

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巷では牛刀や三徳の方がたくさん売られているようだが、長年台所に立っているご婦人には「こっちの方が良い」という方がかなり多い。

私も菜切り包丁や薄刃包丁を使うことが多い。
菜切り包丁の利点は身幅の広さだと思う。峰から刃線までの幅。これが狭い包丁だと野菜が刻みにくいのだ。
先っぽの形が四角いというだけではないのである。

量産品の菜切り包丁は菜切り包丁といいながら身幅が牛刀や三徳と変わらないものがある。
おそらく同じ規格の鉄板から打ち抜いて作っているのだろう。菜切り包丁だけ幅の広い鋼材を注文すると非効率なのだと思う。パッケージの形が変わると運搬や保管にも不便だし。
手造りの包丁では、職人さんが鉄の塊を包丁の用途に合うように叩き伸ばして整形するのでちゃんと広い包丁ができるのだ。

さてこの包丁。

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中子が相当錆びてヤバい状態になっていることは間違い無い。
これぐらい膨らんでしまっていると、錆を落とすと中子が折れてしまう可能性もある。
折れると溶接しなくちゃいけないので修理代も高くなる。

そこで、お客さんと相談した結果、このまま隙間をエポキシで埋めてしまうことにした。

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寒い季節に屋外で作業するときは、ヒーターや白熱灯で温めないと接着剤が固まらない。

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完成形

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ニッパチはご多分に漏れず当職も暇になるのだが、最近なぜか柄埋めの作業が多い。

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洋包丁 柄の修理 動画

動画を作ってみた。


赤錆は残さず除去しないと、隙間に湿気が溜まってまた錆びる。
ファイバースペーサーも、中に水分を溜めるそうなのでハガネの包丁の修理には使うべきじゃないと思う。
動画は5分だが作業には2~3週間ぐらいかかる。

カスタムナイフを作ってる人の動画と身比べると粗が目立つなあ。

洋包丁の柄の修理

錆びて片側が外れてしまった包丁。

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・逆の柄も取り外して錆を落とす。

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腐食が進んで穴があいている。
隙間から内部に入ったまま滞留した水分によって赤錆ができ、組織の粗い赤錆の隙間にまた水分が滞留するという悪循環により、中心部から腐食して行く。
外枠はきれいに見えても中心は腐食で貫通してしまっている場合が多い。

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・赤錆の層を除去。
赤錆は脆く隙間の多い組織で水分を取り込む元になるので、柄の交換をする場合は基本的に完全除去する。

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・ヒルト(ツバ)の中の空洞を埋める。
とにかく、なるべくどこにも隙間が残らないようにする。

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・柄に使う木材はあとの手間を省くためあらかじめ適当な大きさにカットしておく。

・金属パテで腐食した金属面の凸凹を埋めて、ヤスリで平らにする。

・平らにしたら、エポキシ接着剤(ボンドEセット)で片面を柄材に貼り付ける。

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・接着剤が乾燥したら穴を金属パテで埋める。

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・パテが乾燥したらヤスりで平らにする。

・平らにしたらドリルでリベット穴を空ける。

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・エポキシ接着剤で柄材を貼り付けて乾燥させる。

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・乾燥したら、再度リベット穴を空ける。

・ベルトグラインダー、リューター、印刀、木工ヤスリ、耐水ペーパーなどを使って柄を整形する。
包丁を挟んでいるのはユニバーサルホビーバイス。
左下のプラスチックの筒は掃除機。

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・だいたい整形できたら段付きドリルでリベット穴の面取りをする。

・リベットを叩いて打ち込む。

・側面を最終研磨する。整形完了。

・木固めエースで表面処理する。2度塗り。

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・乾いたら完成。

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修理は新品と違って個々の包丁の状態に合わせた加工が必要なので手間がかかる。

柄をつけるだけでは隙間が残るので、同じ様な使い方をしていればまたすぐに錆びてしまうと思うが、こんど錆びると修理は困難だ。ロウ付け・溶接という手もあるが。
安くはない料金だが、それでもやってほしいというお客さんは、買い換えるより長年使い慣れて愛着のある包丁を使い続けたいのだろうから、中がまた腐食してしまうようなことが無いよう、できるだけのことはしたいと思うのである。

どんな包丁が良い包丁なのですか、としょっちゅう聞かれるのだが、そんなことは人によっても違うし使う目的によっても変わるので何とも言えない。しかし逆に言うと、使う人と目的が決まればそれに応じて良い包丁というのも決まってくるのだ。
その上に、自分で研いで修理して使い続けた思い出や愛着が加わることで、その人にとって本当に良い包丁が育てられてゆくのだと思う。
高いお金を払っても修理してほしいという包丁は、それがどこのメーカーのどんな種類で、どんな鋼材を使ったいくらの包丁であるかということに関係無く、依頼した人にとってこの上なく良い包丁に違い無いと思うのである。

黒染め

立派な赤錆が巣食っている出刃包丁が、「物置から出てきた」とのこと。

これからもあまり使わずに置いておくと思う、とのことで、なるべく錆びにくいように黒染めした。
ちょっとムラになっちゃったけど。

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ついでに自分の牛刀も。

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けっこういい感じ、と悦入。

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磨り上げ

日本刀を短くするために中子を切って刃元を削るという加工を磨り上げという。
包丁も柄の中の金属が腐蝕して折れてしまったものの修理によくこういう作業をする。

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これぐらい挿入できれば、エポキシで固めればだいじょうぶ。
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最終形
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この包丁は三徳包丁なんだけど、鍛造品で区(マチ)もつくってあって、けっこう手の掛った包丁。
銘は消えていたのでわからなかったけど。
このお客さんは丁寧な方で、わざわざ電話をかけてきてお礼を言ってくれた。


こちらは逆に長くしたもの。
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長くするといっても刃を付け足すことはできない。柄を長くした。
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元の柄を外して長い柄をつけて、グレイの部分は金属パテ。元の柄の形に合うように木を刳りぬければよかったかもしれないが。やったことが無いのでパテを詰めた。初めての作業だけど接着性だから問題無いと思う。


洋包丁だと柄の交換で三千円とか四千円とか五千円とかもらっている。新しいのが買えるような値段だが、いろんな理由でそれでも修理してほしいという道具に対する愛着のあるお客さんにはなるべく対応してあげたいと思う。
意外と手間がかかるので時給換算にすると五百円とかになってしまうかもしれないのだが。

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牛刀 ミソノスウェーデン鋼 柄の修理

これぐらい柄が膨張してると内部はかなり酸化腐蝕している。
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ディスクグラインダーに切断砥石をつけてリベットを切り柄を外す。
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赤錆をおおまかに除去。凸部はリューターにつけた砥石で削る。
穴が開いてるが折れてないので幸い溶接はしなくていい。
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内部はボンドの金属パテで接着。
金属パテは粘土みたいなもの。腐蝕してデコボコになった隙間を埋めるのに具合がいい。
乾燥2~3時間。
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片側がある程度くっついたらドリルで穴あけ。
焦ってミスる。割れちゃった。穴はゆっくりあけましょう。
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再び金属パテを盛って反対側の柄をを接着。
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乾燥2~3時間。
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反対側も接着したら再びリベット穴あけ。
その後ベルトグラインダーでおおまかに整形。
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この程度整形したら2液混合型のエポキシ接着剤で更に隙間埋め。
使ったのはボンドクイック30。
硬化が早すぎると隙間の奥まで浸透しない可能性がある。上下左右面それぞれ安置して浸透させる必要があるので硬化時間が遅すぎるのも問題で、30分硬化型ぐらいがちょうどいいと思う。

厚みをおおまかに決めたら金床の上に置いてハンマーでリベットを打ち込む。
今回はちょっと失敗して打痕が残っちゃった。ゴメンナサイ。
あまりガンガン叩いてはいけない。

リベットを打ったら更にベルトグラインダーでサイドを削って厚みを決める。

リューター、やすり、紙やすりで最終整形。
木固めエースで表面処理。
刃物油を薄く塗ってゴシゴシこすって完成。

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造形は手造り感マンマンですがご了承ください。
小指の掛かりが良いように削ってます。私は4スタンス理論のB2型のようで、そのせいか包丁も小指や薬指の掛かりが良いとしっくりするのです。
プロフィール

BROさん

Author:BROさん
東京都練馬区の研ぎ師です。
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