包丁研ぎの応用(2)

刃付について、そういえば田中恒雄さんの包丁入門にもいくつか書いてありました。


薄刃は直刃。
やはり剥き物をするから。桂剥きとかね。
二段刃は「悪い砥ぎ方」ハマグリ刃は「最も悪い砥ぎ方」と書いています。

【直刃】
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出刃包丁は、切っ先から6分ぐらいは二段刃。刃元は三段刃。


【二段刃】
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【三段刃】
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三段刃は骨を切るため。

二段刃にするのは、中骨から身を切り離すときに、骨に刃先が当って食い込んでしまうのを避けるため。
刃先が当らない方が切り離しやすいのです。
404.jpg


実は昨日あらためて包丁入門を読み直すまで、ずーっと刃元を二段刃にしてるだけでした。
さっそく二段刃&三段刃にして鯵を捌いてみました。確かに捌きやすいです。

これからはこの通り刃付けさせていただきます。


刺身包丁も「身離れがいい」という理由で二段刃とかハマグリ刃にする人がいます。
直刃がいいという人もいます。私も直刃です。
これは好みでいいと思います。


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包丁研ぎの応用

研ぎおろしの応用です。

両刃を片刃気味にする。

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↑線の部分を
↓こう削って


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↓こうします。


203.jpg



私はペティナイフを片刃気味にしています。

リンゴを剥くから。

ハマグリ刃の両刃より片刃の方が皮を薄く剥けます。

こんなかんじ。
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左右対称の両刃は大根を切るとき刃がまっすぐに入ります。
片刃の包丁は斜めに入っていきます。刃を入れる角度を調整すれば、まっすぐ切れますが。
片刃にすると剛性も落ちます。カボチャやスイカは両刃の洋包丁の方がいい。


こちらは牛刀。
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包丁の用途や使う人の好みに応じて、使いやすいように研ぐのが、正解です。


次は和包丁の刃付について。
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包丁研ぎの基本(3)

さて。

101_20110423233926.jpg

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下図のように刃先が鈍角になると、斜面抵抗が増えるので、手に伝わる切れ味は悪くなったと感じられるようになってきます。
「抜けが悪い」と言われます。


ふつうの洋包丁の断面は、峰側が分厚く、刃先側にかけて徐々に薄くなる「テーパー形状」になっています。
だから、研ぎ減っていくほど抵抗は大きくなります。


ちなみに100均の包丁は峰から刃先近くまでずどーんと同じ幅ですが。

ふつうの洋包丁
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100均の包丁
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ふつうの洋包丁の断面がテーパー形状になっているのは、峰側の厚みで剛性を保持しながら切れ味(抜け)を良くするためです。
100均の包丁は材料の鉄板がもともと薄いので、剛性がありません。


加工状況を図示すると、

100均はこういうこと。

100(1).jpg


一方、ふつうの包丁(木屋)はこう。

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よく見ると手間のかけかたと技術レベルが雲泥の差です。
念のために書きますが、中国産でもしっかりした物はあります。
この100均包丁は特に造りが雑で、材料をケチったり加工の手間を省いているだけではなく、人件費が安い労働者が使いにくくて効率も悪い小さなグラインダーで刃付けをしているのだろうという状況も伺い知れます。


話を戻します。

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↑このように研ぎ進んで抜けが悪くなってしまった包丁は、抜けを良くするために出っ張ってる部分を削って薄くします。「研ぎおろす」と言います。

↓こんなふうに。


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ピンクの部分を削ると
↓こうなります。

105_20110423233954.jpg


研ぎおろすときは刃先を当てません。

刃先が当ってしまうと角度は鈍角のままです。
刃先が当る感触がわからないと、刃先が当たっていない感触もわかりません。

削る量が多いので荒砥石からはじめます。平に必ず傷がつきます。力を入れると深い傷がついて取るのが大変なので、荒砥石を使ってなるべく軽く砥ぎます。

荒砥で整形したあと中砥で深い傷を落とします。

ピカピカにするには耐水ペーパーとスチールウールとピカールで仕上げます。
或いは青棒でバフ掛け。
手作業だとけっこう大変ですが。

頑張リマショー!


応用につづく。
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包丁研ぎの基本(2)

刃先が当るように意識しながら砥げば、必ず刃が付きます。焼きが入った鋼材なら。

砥ぎ方の上手下手は、刃先からアゴまで同じ角度、同じ幅で砥げるかどうか、という問題です。
刃角度が何度とかハマグリ刃か直刃かといったことは、用途に応じて調整すればいいです。どれが正しいというわけではありません。
上手に砥げるようになれば好きなように調整できます。

そこで、練習するなら、包丁の角度を安定させるように意識すること。

「包丁研ぎ、刃物研ぎの要」に以前に書いたのが、このこと。



さて、刃先を砥いでいくと、先のほうが研ぎ減っていきます。

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↑これを砥ぐと
↓こうなります。赤いところが砥いだ部分。


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↑これをしばらく使うとまた先が丸くなって
↓こうなります。


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↑これを砥ぐと
↓こうなります。黄色いところが砥いだ部分。


005_20110423233838.jpg


↑これをしばらく使うとまた先が丸くなって
↓こうなります。


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↑これを砥ぐと
↓こうなります。緑色のところが砥いだ部分。


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↑これをしばらく使うとまた先が丸くなって
↓こうなります。


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↑これを砥ぐと
↓こうなります。青いところが砥いだ部分。


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砥いだ部分の色をなくすと
↓こう。

009b.jpg



はじめの状態と並べて比較すると、
↓こう。

010_20110423233926.jpg



横にしてみると
↓こんな感じになります。

101_20110423233926.jpg

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わかりにくいけど、青いラインより先がひとつ上の図の部分。

研ぎ続けると、こんなふうに刃先の角度が鈍角になっていくことが多いです。


つづく。
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包丁研ぎの基本

砥石で包丁が砥ぐのが難しい、いくらやっても砥げない。というひとがいます。

そこでまず、いちばん基本的なことから説明してみることにします。


包丁の刃先は、初めはこんなふうに尖っています。

001_20110423233839.jpg



切れなくなった状態は、こんな感じだと思いなさい。

002_20110423233839.jpg


↑これを、↓こんな風に削って先を尖らせるわけです。

003_20110423233839.jpg



「砥げない」といってる初心者に一番多いのは、刃先が砥石に当っていないパターン。
砥石の面に、↓こんな風に当ってる。

002b.jpg

これでも刃先が当るまで出っ張り部分を砥ぎおろしていけば切れるようになりますが、はじめは、刃先が砥石に当った状態を意識して砥ぐ方がいいです。

↓こういう風に。

002c.jpg


角度について、10円玉2枚とか15度とか言われますが、刃先が砥石に当たることが基本中の基本です。

慣れれば、刃先が砥石の面に当っているかどうか感触でわかるようになります。特殊能力ではありません。誰でもわかります。
まずはそれがわかるようになることです。


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