第一回 ツボサン硬度チェック大会 牛刀三徳の部

ツボサンの硬度チェック

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面白い。

刃物に筋がつくまで強くこすりつけてから布で拭う。
ヤスリの方が硬ければ刃物に傷がついている。刃物の方が硬ければ、ヤスリが削れた痕跡が表面に付着するだけなので筋が消える。

・チェック用のヤスリの硬度が正確なのかを検証することができない。
・手作業なので力の入れ加減など同条件で確認できない。

といった問題がある。
誤差があることを前提に話半分ぐらいの参考にしてほしい。
正確なロックウェル硬度ではないかもしれないが、同時にたくさん調べたので硬さの違いはある程度信頼できるのではないだろうか。

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長くなるので第一回は牛刀三徳その他両刃包丁編。

● ダイソー GALAXY777 HRC45以上 50以下
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柔らかいとは思っていたが、予想以上に柔らかかった。今回テストした中ではやはりいちばん柔らかい。


● ヘンケルスインターナショナル ロストフライ HRC55以上 60以下
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妥当なところ。鋼材は不明。関で作ってるので420J2とかかな?
全鋼ステンレスの洋包丁はだいたいこんなものだと思う。


● 木屋 エーデルワイス HRC55以上 60以下
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同じく妥当なところ。確かボーラーウッデホルム社のスウェーデン鋼。


● 堺石籐 大和武 八寸牛刀 炭素鋼全鋼 HRC55以上 60以下
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同じく妥当なところ。


● 有光 八寸牛刀 炭素鋼全鋼 HRC60以上 65以下
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予想外に硬かった。もっと柔らかいと思っていた。使っていて硬さは感じない。炭素鋼なので研ぐのも簡単。
ほんとかな~?と思ってたわませ比べてみたが、やはり大和武より硬いようだった。


● 築地正本 八寸牛刀 炭素鋼全鋼 HRC60以上 65以下
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これも予想以上に硬かった。まあ、HRC60以上とかいう数字自体は信頼性を欠くが。
買ったときは確か白紙と言われた覚えがあるが、今のホームページに白紙の牛刀はラインナップされていない。
ホームページなど無かった時代に買った物なので仕様が変わったのだろうか。


● 釜浅商店 ハイス鋼 ペティナイフ HRC55以上 60以下
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こちらは逆に予想以上に柔らかかった。
割込みなので刃先のハガネが露出している部分だけをけがいてみたのだが、白紙割込みの三徳よりは柔らかい。


● 刃物フルカワ 三徳 白紙二号割込み HRC65以上
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包丁造り体験で造った三徳包丁。
かたっ!HRC65以上ってほんとかな~??数値はともかく非常に硬かったことは確か。
残念ながら一号やスーパーの刃物は持っていないのだが、二号で65以上ということはもっと硬い鋼材は比較不能ということになる。む~~ん。

第二回 ツボサン硬度チェック大会 カミソリとハサミ
第三回 ツボサン硬度チェック大会 片刃和包丁の部
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鉄・ハガネ・ステンレス

「鉄」「鋼」「ステンレス」の関係は次の通り。

鉄ハガネステンレスカラー3





「鉄(Fe)」は元素である。
金や水素や炭素と同じように、全ての物質の元となる物質だ。
今私の目の前にあるコーヒーは、水とコーヒー豆のエキスとミルクでできているが、この中でいうと水やミルクが元素のような位置づけである。
以下に詳述するが、鉄が水で、その中に炭素というコーヒー豆のエキスや、クロムというミルクが入っているのが、刃物に使われる鋼材である。



「鋼」は一定量の炭素(C)が混じった鉄である。
工学的には鉄に含まれる炭素の量によって、0.03%以下を〝鉄”ないし〝軟鉄”、0.03%~2.1%を〝鋼(ハガネ/コウ)”、2.1%以上を〝鋳鉄(イテツ/チュウテツ)”と分類する。
炭素量が多いほど熱処理によって硬くなる。(熱処理によって硬くなる理由
鋳鉄は硬すぎて削ったり曲げたりする加工が難しく、熱く溶けた状態の物を鋳型(イガタ)に流し込んで冷ますことで整形するので、鋳鉄という。マンホールの蓋や船の錨や鉄瓶などが鋳鉄製品だ。

鋼の中でも比較的柔らかい物を軟鋼、硬いものを硬鋼などと分類される。
刃物に用いられる鋼はかなりの硬さが必要で、炭素含有量はおおよそ0.5%~2%程度である(例外有)。
上図に〝刃物鋼”という言葉を使ったが定義のある用語ではない。刃物鋼として製造されたわけではない鋼材もよく刃物に使われている。たとえば車の板バネは刃物に転用できるが、ボディーは刃物にするには柔らかすぎる。いずれも鋼の一種である。


「ステンレス」はクロム(Cr)を10.5%以上含む鉄合金である。
クロムが鉄の表面に薄い酸化皮膜を形成し、これが水ないし酸素を遮断するため、錆びにくい性質を持つ。
クロム含有量が多いほど耐食性(錆びにくさ)は高い。


「ステンレス包丁とハガネの包丁」
刃物について述べるとき、錆びやすいかどうかを簡単に示すため、錆びにくい鋼材の物を「ステンレス」錆びやすい鋼材の物を「ハガネ」「炭素鋼」ないし単に「鉄」と呼び分けるのが一般的である。
海外でもステンレススチールとカーボンスチールといった呼びわけをしている。

しかし、既述の通り、クロムと鉄を一定量以上含む刃物用の鋼材は、鉄でありステンレスでありハガネである。
だからステンレスに対比する言葉としてハガネというのは実はおかしいのだが、慣習として現在はワールドワイドにそのような呼び分けがなされているのだと了解されたい。
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