グレステンはいい包丁。

グレステンの包丁の特徴は、リブ加工してあることと、片刃であることだ。

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リブ加工をラインナップに加えているメーカーは多い。
片刃の洋包丁はあまり多くないが、グレステンのほかに、杉本や、片岡製作所のブライトや、MACの包丁に、初めから片刃のものがある。
リブ加工、且つ片刃、というのは、ブライトにはあるかもしれない。ただ、ブライトの包丁は両刃の方が多いと思うので、指定注文になると思う。


両刃の洋包丁を片刃に加工して欲しい、というご注文をときどき頂くのだが、そういう作業に使えるいい機械を持っておらず、手作業でやっているので、けっこう大変だ。
湿式レジンダーが欲しいのだが、高価だし置く場所もない。


下写真はグローバルプロを片刃仕様にしたもの。


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片刃と両刃の、特性の違い。
http://hamonotogiya.blog75.fc2.com/blog-entry-145.html

片刃の方が、刻み物なんかではずっと薄く切れるのだ。
お食事代の高い料亭なんかで、ひとつひとつのお野菜を丁寧に薄く剥いたり刻むなら、薄刃包丁を買うべきだろうが、樹脂まな板で大量に野菜を刻むには、片刃の洋包丁がいいと思う。
またそういうときに、食材の張り付きを低減するリブ加工は威力を発揮するだろう。


両面にリブ加工した包丁を、うかつに片刃にしようとすると、困った状態になることがある。
刃線が中心から逸れると、ガタガタになってしまうのだ。
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右利き用の片刃にする場合、ウラ面(*)を、小刃が無くなって刃先までまっすぐになるまで平らに研ぐ。その過程でリブもほとんど無くなる。

削る前
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削った後
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裏面はできればリブが消えるぐらいまでしっかり削りたかったのだが、この包丁は、オモテ面(*)もかなり薄く削ってしまっていたのだ。
ウラを削りすぎると強度が無くなってしまう恐れがあったので、加減に気を使った。

*ウラ面=包丁を、峰を上、刃線を下、柄を手前、切っ先を向こうに向けて持ったときの、左側の平面
*オモテ面=同じように持ったときの、右側の平面


片刃の包丁がほしいという皆さん、グレステンを買っときましょう。
いい包丁です。


グレステンの包丁研ぎ。
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中子の錆

お客さんに見せるために撮った写真。

元の状態。
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きれいな面
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酸化腐食した面
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錆を落とす前の写真は撮っていない。残念。
はじめの写真で柄の隙間の中に見えるこんもりしたものは、全て鉄錆。
木が腐食して盛り上がっているわけではない。
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これはイカン。

”よくない包丁”はいくらでも見てきたが、欠陥品は初めて。
仕事柄、ほとんどどんな包丁でも、“ともかく使える”という程度には直せるつもりだが、これはどうにもならない。

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初見では、表全般で刃線に地金が出てしまっているように見えた。
片面だけ研ぎすぎたせいで中心がずれて、裏の地金が刃線に出てしまったのかなと思ったが、ふつう、右利きの人が片面だけ多く研ぐと、地金が刃線に出てしまうのは裏面である。(だから片刃の包丁は裏にハガネが着いている。)
左利きの人が研いだのかな?と思いつつ、ともかく、ハガネが刃線全体に出るまで表を研ぎ減らすべく削ってみた。
すると、なんと、先端近くと刃元のあたりで、裏から地金が出てしまったのである。

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ある部分でハガネを前に出そうとすると、反対の面で、別の部分で地金が前に出てしまう。
つまり、中心にあるべきハガネが捻じ曲がっていたのであった。

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ハガネの曲がりに応じてウネウネに包丁を研げば全体にハガネが出るのかもしれないが、鎌や丸ノミじゃあるまいし、しかも、ただの曲線ではなくMの字に研ぐ必要がありそうだ。そんなめんどくさいことやってられない。さらには、もしできたとしてもむちゃくちゃ使い難いと思う。
「ザンネンですが不良品です」といってお返しした。

日本の包丁の鍛冶屋さんの名誉のために申し添えるが、こんなものを掴まされてしまうことはほぼ無い。何万本も包丁を研いできて初めて見た。山道を歩いていたら頭上から鹿が落ちてきてぶつかった、ぐらいの確率だと思う。

そもそも、刃付けした時点で鍛冶屋が気付かないわけが無いから、ふつうは製品に回すはずが無いのだ。
何でこんな風になってるのかよくわからない。
手打ちで、割込みや合わせの包丁は、焼き入れで曲がるものがあるが、ハンマーで叩いて修正するのでこんな風にはならない。
曲がったままの分厚い包丁を、叩いて修正せずに、まっすぐになるよう薄く削り出したらこんな風になるのだろうか?ダマスカス模様と同じ理屈で。

どこかの物産展で購入したということなので、販売店も鍛冶屋もわからないかもしれないのだが、不良品とわかってて故意に流通させた疑惑がある。
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TOP'S STEEL EAGLE 107E

また、ナイフ研ぎの動画。
動画はナイフばっかり。


動画の作成はけっこう大変。
全編で1時間ほどあるデータを、何度か見返すだけでも、数時間。
編集した動画のエンコーディングに、数時間(PCがプアなので)。
アップロードにも、20分程度の動画で数時間(上り回線がプアなので)。

はじめにシナリオを作って、シナリオに従って必要な動画を作成して組み立てて行く、という作業が必要なのだな、と、最近ようやく気づいた。

今回の動画はトップスナイフのスチールイーグル107eというナイフ。
http://www.topsknives.com/product_info.php?products_id=138

平は「トラクションコーティング」とかいうコーティングが施されている。
強固で分厚いコーティングで、ザラザラしている。ザラザラ具合が”トラクション”なのだろうか。
軍用のナイフは、ピカピカしてると反射光で敵に見つかる危険があるので、ベトナム戦争あたりから反射しにくいマット加工されるのが常である。しかし戦場で使わないのなら光っててかまわない。
鋼材はどうも錆びやすい炭素鋼系のようなので、錆びにくくするという意味で、黒打ち的な表面処理はアリだ。
しかしそれにしても、かなり強固なコーティングである。

もとの刃の状態が、かなりdullだったので、荒砥でカエリが出るまで刃付けするだけで30分以上かかってしまった。
小刃だけ研ぐのに蛤刃なんて考えなくていい。小刃の面をビシっと平らに研ぎ出してあげればいい。
角度を大きくして刃先を砥石に当てようとするのではなく、元の角度を維持したまま、きちんと面を当てて、刃がつくまで時間がかかっても研ぐ。


以前からやってみたいと思っていた英語の字幕を入れてみた。
英語はほぼまったく喋れない。適当に翻訳サイトで作成しただけ。おかしなところがあれば指摘して頂きたい。
これで外国からのアクセスが増えるとうれしいのだが。
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