茅の輪

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「茅の輪(ちのわ)」というそうだ。

左に1回、右に1回、左に1回、合計3回まわってから参拝すると、半年間の穢れが落ちる、とのこと。

渋谷区神宮前の青山熊野神社にて絶賛設置中。
みんなも茅の輪をくぐって穢れを落とそう!


木曜日はここで刃物研ぎを実施しています。
お近くの方は参拝のついでに包丁をご持参ください。
今年は24日が最終です。クリスマスイブですが関係ありません。



錆びた剪定鋏の動画をアップした。



ビフォー
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アフター
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研ぎやTOGITOGIは結果にコミットします!


しかし「結果にCommitします」というのはよくよく考えた倒したコピーなのろう。
「ギャラント」とか「トラスト」といったよく聞く単語だと、カタカナでも景品表示法に抵触しそうだ。
日本語で「保証します」とか「約束します」とかいうのはもっての他だ。

”あの広告”はあくまでインパクトのある映像が主で、施設を貸すだけじゃありませんよ、ちゃんと目標を立てて結果を出すためのサポートをしてますよ、ということを、法律に触れない言い回しで表現するために搾り出したコピーなのだろうと思う。

当店も研いでもムダな可能性が高いものはあらかじめお断りするようにしているが、歯医者のようにレントゲン写真を撮るわけじゃないので、錆がどれぐらい深いかはかなり研ぎ進めてみないとわからない。
研いでみたけどダメだったからお金は頂きませんとばかり言ってはいられない。
だから結果保証は残念ながらできない。
とはいえ、見た目をピカピカにするのではなく良く切れるように道具本来の機能を回復向上させる方向で、がんばっている。

そういう意味で「結果にコミットします!」を解釈していただきたい。
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コレハ・・・

「赤錆まみれ」や「裏から三段刃」なんていう状態の包丁にはあまり驚かなくなった。
しかしこういうのは初めて。

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矢印から先のハガネが無い・・・
裏の先の方を粗い砥石でゴリゴリ研ぎ倒したのではないかと思われるが、貰い物ということなのではっきりした原因はわからない。しかしいくらなんでもこんな状態で販売されていることは無いと思う。

片刃和包丁の裏はなるべく仕上げ砥石だけを当てるようにしましょう。
中砥石しか無い場合、普段の研ぎではごく軽い力で撫でるように当てて、表を研いでできたカエリを取るだけ。強く研がない。
表を研ぎこんで裏押しが無くなったり反ってしまったりして、新たに裏押しを作るときだけ、中砥石でしっかり研ぎます。
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なぜ曲がる?

藤次郎の尺の和包丁。
黒い点は錆ではない。ペイントマーカーでつけた印。

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裏。

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一体型で洋柄のTojiro-Proはもっとベタっとしていた。
こちらはちゃんと裏スキらしい裏スキがある。


お客さんによると表の黒い点の部分だけが減ってまっすぐならないというのだ。もしかすると硬さが違うのかもしれない、と。

昭和初期より前ぐらいの包丁には、場所によって硬さが違うものがある。近代製鋼がはじまる明治時代より前の刃物は、場所によって硬さが違う方が普通のようだ。
明治から昭和にかけて日本の近代冶金学の権威であった俵国一博士が、日本刀を何本も折るという贅沢な検査で内部構造や硬度を調べているが、一本の刀について必ず何箇所も検査しているのは、部分的に硬度が違うことが前提だからだろう。
うちにも一本そういう古い包丁がある。同じ力加減で研ぐと刃線が曲がってしまうのである。
私のお師匠様は刀の研ぎ師だが(私は刀の研ぎ方は教わっていない。)、刀剣では古いものを研ぐことがしょっちゅうあるからであろう、そういう硬度の違う刃物でもことも無くまっすぐに研ぎあげてみせる。

鉄の硬さは主に鉄に含まれる炭素量によって決まるのだが、古い刃物は、場所によって炭素などの元素の分布にばらつきがあるのだ。
日本刀は材料の鉄を叩き伸ばしては折り畳むという作業を何十回も繰り返して鍛錬するのだが、「鍛えて練る」と書くように、練って混ぜて含有成分の分布を均質化するという目的が本来の鍛錬にはあった。
今は原料鉄の品質が良く含有元素の分布ももともと均質な状態で鉄鋼メーカーから出荷されるので、わざわざ練るというような作業はしない。いわゆるダマスカスは折り返して鍛錬しているが、あれは積層模様を見せること自体が目的なので機能的な意味はあまり無い。
実際に物を切るための刃先に出る刃鉄は、両刃であれば中心に割り込まれていて、折り返し鍛錬なんかしない。
そして刃鉄部分が場所によって硬さが異なる刃物というのはまず無い。ここ半世紀ぐらいの間に作られたものであれば。

するとこの包丁が曲がる理由はいったい何なのか。

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答えは裏が凹んでいたためだ。
裏押しができているように見えるので平らなのかと思ってしまうが、光にかざすと凹みがはっきりする。

この裏を、

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裏押しの幅がこれぐらいになるまで、これは結局荒砥から当てることになったが、ひたすらゴシゴシ研ぎこんでいくと、


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ようやく切刃を普通に研げば普通にまっすぐな刃がつく包丁になるのであった。
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新品なのに。。

片刃の和包丁は原則としてお店に行って手にとって現物を確認してから買うべきだ。
洋包丁は通販でもかまわない。

最近、新品の和包丁を研ぐご依頼が続いている。

これは新品ではないが、一度も研いだことが無いという薄刃包丁。

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調理関係の学校で買ったものだそうだが、

「両刃包丁の研ぎ方しか習っていない」

ダメでしょう。


砥石を当てた画像。

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新品の切刃がデコボコなのは普通のことで問題無いのだが、

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先から5分の3ぐらいがエグい段刃になっていた。
もしかするとこれは、買ったあとで誰かが研いでしまったのかもしれないが。
薄刃包丁なので逃げ研ぎせずベタで刃を出していく。
両刃包丁なら10分もあれば終わる作業が5倍ぐらいかかる。


こちらは新品の出刃包丁。

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写真を見ればわかると思うが相当ハデに曲がっていた。
新品でここまで曲がってるのは珍しい。

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これは同じ銘の柳刃包丁。
ショットブラストで化粧してあることがわかる。
青紙とか白紙といったハガネの包丁で、ダマスカスでもないのにショットブラストで誤魔化してる包丁は、ショットブラストで誤魔化されている何かが得てして大変なことになっている。

この出刃も柳刃も完成写真を撮っていないのだが、柳の方が大変だった。
切刃がデコボコでも問題ないと先述したが、これは地鉄ではなく刃鉄が一部凹んでいたのだ。
刃付け屋が刃付けに失敗したとしか考えられない。
刃線は狂っていたのでまっすぐなるまで研ぎこむしかない。
売るか?そんなもの。
売ってもいいけど「ワケ有り商品」ぐらいは書かないといけない。
素人が直せるレベルを逸脱している。


次。
ダマスカス、VG10、洋柄の尺の柳刃。
海外向けだそうだ。
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一見きれいだが、良く見るとこれもけっこうな段刃
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切刃のデコボコはいいとして、
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刃線のデコボコはオハナシにならない。

幸いこの包丁は蛤刃にしてほしいという依頼だったのでそうムチャクチャ時間がかからずに済んだが。

段刃は無くして、

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刃線も平滑に。

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切刃の凹凸は放置。研いで使っていればそのうちなくなる。

しかし欧米人にこんな包丁売って大丈夫なのだろうか。
直してくれる店があるのか甚だ怪しい。
直さないまま
「日本の包丁なんか高くてもしょせんこんなもの」
と思われてしまうかもしれないのが、いちばん癪。
しかし、責任の半分はこうういうのを有難がって買っていく消費者にある。


昔から和包丁は本刃付けをしていない状態で売られているものだった。
しかし、新品なのに120番の荒砥石やアトマの荒目から研ぎはじめないとダメというのはどうなのか。
関東でいうと正本とか有次とか杉本とか子の日とか東源正久とか木屋とかかね惣とか鍔屋とか町勘といった「ちゃんとした」店の製品では、たとえ一番安いクラスでも考えられない。
評判の高い店、メーカーというのは、看板背負ってお客様のかわりになってしっかり目利きして、鍛冶屋や問屋から来るものにおかしなのが入ってたらきちんとハネてくれているのだ。


手打ちの和包丁は、必ず、現物を手にとってゆがみを良く観察して買いましょう。

どうしても通販なら返品・交換可能な店で買う。自分の目で見て歪みがわかることが前提。
理由がわからないのに割安なものは買わない。歪みや割れがあって普通の店の検品でハネられたものが回されている可能性が大きい。

不良品が安価に出回って相場がそちらに引っ張られてしまうと、割りを食うのは手間をかけて良い製品を作る職人である。
悪貨が良貨を駆逐するのだ。
安くて良い商品なら仕方ないが。
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