割り込み包丁の偏り研ぎ

たぶん炭素鋼をステンレスで挟んだ割り込み包丁。

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裏の、切っ先付近で、側面の軟鉄が刃線に出てしまっている。

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表はハガネががっつり。

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機械研ぎで、ヘタな人が裏だけ斜面に研いで、表はほとんど削っていない、というかんじ。

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研ぎ屋さんに出したらこうなったそうなのだが。
機械研ぎのままだと、軟鉄と刃鉄の刃境線がわからないのかもしれない。
刃先付近だけ、適当な角度で、研ぎやすい裏面を多く研いだ、みたいなかんじだろうか?

必要に応じて側面もちゃんと削って、刃肉を落としましょう。

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研ぎ目がガッツリ残ってるけど、気にしないで(^^;

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特に槌目仕様の包丁は刃肉がぽってりついてるのが多い。
刃先は小刃をつけていいんだけど、研ぐたびになるべく刃肉も落とすようにしたほうがいい。
刃肉を落として抜けをよくするなんて考えたこともないんじゃないか、と思える研ぎ屋さんの作品をよく見かけるが、500円とかで研ぐとそうなっちゃうのも仕方ないのかなあと思う。
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ナゾの包丁

20年以上前、バブル時代に、関西に住んでいたとき、大阪だか奈良の百貨店でやっていた物産展で買った。けっこう高かった。
とのこと。

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ずんぐりむっくりしたペティナイフかとおもいきや、

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片刃なのだ。
同じようなものがほしいのだが見つからない、という。

ずいぶん研いで小さくなった、とのこと。
しかし、中子の太さ、銘の字の大きさのバランスなどを考えると、少なくとも身幅はそれほど極端に減っていないと思える。
柄も交換したそうなので、もとがどんなふうだったのか、想像しづらいのだ。

2~3の研ぎ屋で、片刃は研げない、と言われたそうだ。
片刃が研げない研ぎ屋って・・・(^^;

両刃に改造しないか、と言われたこともあるそうだ。
合わせ包丁を両刃に改造って・・・(^^;;;

イカ裂きぐらいの大きさかな、とも思うが、ちょっと違う気がする。
しかし、研ぎ減ってこの形だとしたら、かなり上手に研がれてきたと見受けられる。
変な研ぎ屋に頼まなくてよかった。
東京では阿佐ヶ谷のしんかい刃物さんにも出したことがあるそうだ。
奈良にお住まいになっていたときには、ご近所に刀の研ぎ師がいて、研いでもらっていたのだという。
3か月で研ぎ直すか半年で研ぎ直すか聞かれて、それに応じて刃付けを考えてくれたそうだ。すばらしい。

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裏を当ててみたところ、思ったほどにきっちりしているわけでもなかった。
けっこうベタ裏。
とはいえ、ちゃんと裏押しはでている。

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「伝統工芸士 堺 政昭 作」だろうか?いまはもういらっしゃらないと思う。

どういう包丁か、何かご存知の方がいらっしゃったら、教えてください。
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リョウバとモロハ

以前書いた、片刃と両刃について説明した記事で、両刃には2つの意味があるといったことを書いているのだが、それは両刃じゃなくて諸刃ですよ、といったコメントをもらった。

何年か前に原則所持禁止になったダガーナイフのような、峰側にも刃がついている(というか、峰が無いというのか)形のものを「モロハ」という。モロハの剣という言葉も、このタイプの形状のことを意味している。
「リョウバ」は、裏面からも表面からも刃道に向かって斜面になっている形状で、これの対立概念である片刃は、片面が平らで反対の面だけに斜面がついているという形状である。

なにかでそういうふうにはっきりと語義定義されて、区別されていれば、私も嬉しい。

しかし辞書で調べると、モロハに当てはめる漢字に「諸刃」と「両刃」があるのだ。
古文献にはあまり詳しくないが、たまに見る江戸時代より昔の刀関係の文献では、みな、「両刃」と表記して「もろは」と読ませているようだ。
リョウバで調べると「諸刃」という漢字を当てることはないようである。「諸刃」と書かれていれば読みについてはモロハで間違いはないだろう。

語義に関しては、リョウバもモロハも、剣の両刃の意味と包丁の両刃の意味が併記されている。

だから、自分のルールとして使い分けるのは良いことだと思うけれども、必ずしも他人が同じような使い分けをしているとは考えない方がいい。また、どれが正しいというわけでもない。

このブログについて、間違っていることや違う意見があったら、どんどんご指摘いただきたいのであるが、かんたんにできる範囲の確認ぐらいはしてもらいたいとも思う。
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