包丁を研ぐこと。

包丁を研ぐのに、砥石を使う方法と簡易砥ぎ器を使う方法があります。
本来的にはやはり、砥石を使う方法が正当ですから、ここでは砥石を使って研ぐ意味について書いてみます。具体的な研ぎ方は、いろんなホームページや書籍で紹介されていますから、信頼できるサイトを参照してください。藤次郎のサイトなんかいいですよ。
http://tojiro.net/jp/training/sharpen.html

包丁を研ぐ目的はふたつです。ひとつは刃を鋭くすること。もうひとつは形をキレイにすること。

刃を鋭くするということは、使い込んで丸まった刃先を尖らせるということです。これが研ぐということの基本です。
あまり使ってなくて形が歪んでいない包丁なら、これだけを考えればいいでしょう。
しかし実は、単純に尖らせさえすれば良いというものでもなかったりします。
包丁の刃はノコギリ刃になっています。ギザギザなのです。
これに対してギザギザが無い真っ直ぐな刃の代表は、カミソリです。この他には、鉋(カンナ)、鑿(ノミ)、彫刻刀などが真っ直ぐな刃です。
真っ直ぐな刃の刃物は、削る(切る)対象に対して刃を水平にして滑り下ろすように使います。野球グラウンドをトンボでならすような使い方ですね。
ノコギリ刃にするのは横に引いて使う刃物です。ハサミもノコギリ刃です。カッターナイフもノコギリ刃です。包丁も当然、横にひいて使うから典型的なノコギリ刃の刃物です。
ふつうギザギザは見てわかるような大きさじゃありません。顕微鏡で見てわかるような大きさです。

刃がギザギザじゃないとどうなるのかというと、取っ掛かりの部分で刃が切る対象物にめり込まない、滑っちゃうことがあるのです。
良く滑るのは表面がツルツルなもの。典型的なのはトマト。トマトは皮がけっこう頑固にツルツルです。
テレビショッピングなんかで包丁や包丁研ぎの宣伝をするときによくトマトが使われますが、トマトはギザギザがわりと荒い方が切りやすいのです。

包丁研ぎでは、刃先を尖らせつつ細かい部分ではギザギザにするわけですが、特殊な研ぎ方をしない限り刃先はまっすぐになりませんから、あまりギザギザを意識する必要もありません。


次に形をキレイにする、つまり整形です。
長いこと使っていると、研ぎ癖などで形が狂ってくるものがあるのですね。
また、両刃包丁の場合は峰の方が刃の部分より厚くなってるものがあります。こういうものは、研いで減っていくにつれてだんだん刃が分厚くなっていきます。こういう包丁を長いあいだ砥いでいると、同じ角度で砥いでても刃厚が邪魔になって切れ味が悪くなることがあります。
すると、どこかのタイミングでいちど、刃全体を薄く仕上げてやる方が切れ味が良くなります。
平らな砥石を使って丁寧に研いでいれば大きく整形する必要はあまり無いのですが、砥石というのは研いでるうちに歪んでくるものですし、簡易砥ぎ器や棒状のシャープナーばっかり長いこと使ってると、元の形を維持するのは困難です。
どこかのタイミングで整形が必要になる、整形しないと研げない、あるいは研いだつもりでも切れるようにならないといったことに、いつかなります。
ちなみに片刃の和包丁のほうが両刃の洋包丁より形を維持することは簡単です。


研ぎに出てきた包丁でキレイなものは、元の形のままで刃先を鋭くするだけだから簡単なのですが、スンゴイやつは、まずどういう形に仕上げようかなーという想像力を働かせなければいけません。鉄板を削って新しく包丁を造るぐらいの勢いで整形しなければいけないものもあります。
そういうのは値段も高くイタダキマスので、包丁研ぎはなるべく形を変えてしまわないように、丁寧に。変わっちゃったカモ、と思ったら、ひどくならないうちに早めにプロにお願いして修正しといた方がいいです。ちょっとした修正のうちなら料金はおんなじです。

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ジャンル : 趣味・実用

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