包丁の種類

正本総本店さんのカタログを見ていて、包丁の種類について知らないことがあったので電話で質問してみました。


Q 薄刃包丁の「東型」と「角型」はどう違うのか。

角型は先がとがっている。東型は先が丸い。
角型は鎌形のように角が尖っているそうです。私は、東型、関東型と呼ばれる方形の薄刃包丁では、先の角が丸めてある物しか見たことがありませんでした。正本総本店さんでも東型の方がよく出るそうです。


Q 出刃包丁の、相出刃と卸出刃はどう違うのか。

卸出刃はマチ付きである。相出刃はマチが無い。
正本総本店の商品では、卸出刃のほうが少し薄い。
参考までにマチは何のためにあるのかといことも聞いてみましたが、はっきりしたことはわからないそうですw


Q 洋包丁の、ガラスキと骨透きはどう違うのか。

ガラスキは、片刃。16.5と18センチがあり、骨透きより厚い。
骨透きは、両刃。13.5~15センチまでで、ガラスキより薄い。

つまりガラスキの方が大きく、厚く、片刃である。骨透きは小さくて両刃。
丸の鳥をバラスときにガラスキを使う。
ある程度解体した鳥の部分から更に骨と肉を分けるときに骨透きを使う。

そういう区別があるとは知りませんでした(^^;
ありがとうございます。



ついでに、出刃包丁の種類について書いておきます。

出刃包丁にはいろんな種類があります。

本出刃包丁
相出刃包丁(中出刃包丁)
小出刃包丁
身卸出刃包丁(卸出刃包丁)
舟行包丁
叩き出刃包丁

これらは基本的に両刃ですが、高知県で伝統的に作られている土佐型の出刃包丁は両刃です。

まず、ふつうに出刃包丁という場合は「本出刃包丁」のことを言います。
分厚くて、重たいです。
刃渡り15センチ、五寸ぐらいから本出刃と言われるようです。

“大出刃”という言葉をたまに見聞きしますが、伝統的な和包丁のメーカーでそういう名称の包丁を販売しているところは見たことがありません。

12センチ、四寸以下出刃は、「小出刃包丁」と言われます。
本出刃をそのまま小さくした感じです。


そうすると、“中出刃包丁”(相出刃包丁)は12センチを超えて15センチ未満なのか?というと、そうではありません。
そもそも“中出刃”という用語自体が伝統的なものではありませんが、正本とか有次とか堺孝行で「中出刃を見せてください」というと、「相出刃包丁」が出て来るかもしれない。

「相出刃包丁」は七寸~八寸ほどの大きな物もあります。逆に三寸なんていう短いものは見ません。
しかし厚みが本出刃包丁より薄いのです。だから軽い。取り回しがいい。
厚みが無く刃角度が浅いため、本出刃包丁と比べると刃こぼれしやすい。

しかし河岸で大量にブリの頭を落とすような職人さんでなければ、つまり自分で釣った魚を、ブリにしてもせいぜい3~4本ぐらいを、たまに捌くといった一般の釣り師には、個人的には相出刃包丁の方が使いやすいと思います。中骨を落とすときでも、注意して関節に刃を入れればそう簡単に刃こぼれしません。

相出刃と同じように刃の厚みが薄い出刃包丁の仲間が、「身卸出刃包丁(卸出刃包丁)」、「舟行包丁」です。

「身卸出刃」は骨切り以外の作業をするための包丁だから本出刃のような厚みは必要ありません。
「舟行包丁」は漁師が船に乗せて漁に持っていった包丁が由来です。出刃包丁の役割も刺身包丁の役割もするマルチな魚捌き包丁で、やはり本出刃包丁のように分厚くありません。

いずれも本出刃包丁とは区別できますが、「相出刃」「身卸」「舟行」の明確な区別はできないと思います。
同じ包丁をメーカーが「相出刃だ。」と言えば相出刃になり、「身卸だ。」と言えば身卸になり、「舟行きだ。」と言えば舟行になるのでしょう。

ユーザーの立場から考えても、これらの包丁を正確に区別できなければ何か不都合があるというわけではありません。


そこで私の頭の中で出刃包丁の分類は、ザックリと以下のみっつに区別されています。

本出刃包丁
刃渡り五寸(15センチ以上)~七寸(21センチ)程度。尺(30センチ)以上の特殊な物もある。
分厚い。

小出刃包丁
刃渡り三寸(9センチ)~四寸五分(13.5センチ)程度。
厚みがある。

相出刃包丁、身卸出刃包丁、舟行包丁
刃渡りは本出刃と同じ程度。
本出刃より厚みが薄く、軽い。
このみっつは外見では区別できない。


日本の包丁には私が確認しているだけで70以上の種類があります。
和包丁だけで何百種類もあるという話も聞きます。
現在の主だった和包丁の分類が確立されたのは江戸末期だとか。
昭和のはじめ以前に造られたと思われる用途も名称も不明な包丁を、今でもときどき見掛けます。

江戸時代以前なんか村々の端っこに何でも造る鍛冶屋さんがいて、地域の需要に応じた形状の刃物を特に名前も付けずにただ包丁として造っていたんでしょう。
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Re: No title

海豚さんコメントありがとうございます。

マチについてはこんなことじゃないのかなと思うことを記事で書いてみました。
気になることがあったらまたご指摘いただけると有難いです。

No title

電話とか文章にすると説明できない事やあんまり大っぴらに公言しにくい事もあります。これは説明し難い事で現物見てたら分かります。が意地悪では無く、作ってる所で聞いて下さい、分からないと作れませんので、正本で言う卸し柳と身卸しはほとんど同じ物で同じと捕らえても良いと思いまする。いずれも必然性がありそうなっています。簡単にこれやからこうと、説明しにくいのと間違えて伝わる事も有りますので、僕が文才が無いと言う事でご勘弁下さい、

Re: No title

> 相出刃と身卸しと船行の定義は一応有ります。船行は普通と出刃が有ります。

おお、それは興味があります。
みっつ並べて区別できるものですか?


> 和包丁のマチですが、チャンと意味が有ります。いずれも堺の内々の基準です。詳しい説明は長くなるので、

長くなってもいいのでぜひ教えてください(^^

No title

相出刃と身卸しと船行の定義は一応有ります。船行は普通と出刃が有ります。
ガラスキは主に鳥系の骨ごと切る鳥出刃の洋包丁タイプで日本の洋包丁です。
骨スキは大型の食肉系の解体を主に使うよう作られた物でボーンナイフと殆んど同じ様なものです。このタイプの骨は硬く大きい為切断するのではなく、軟骨や間接の隙間に入れて、はずす為それほど大きな負荷がかかりません、小回りの聞く小型の物が好まれます。狩猟場ではスキナー、精肉場では骨スキ
和包丁のマチですが、チャンと意味が有ります。いずれも堺の内々の基準です。詳しい説明は長くなるので、
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