FX取引で儲けるために必要なこと

包丁とは何の関係もない話題で恐縮です(笑)

「儲けるために必要なこと」とは「こうすれば儲かる方法」ではない。誤解されないよう初めに断っておく。


● FX取引に限らずレバレッジドトレード、いわゆる証拠金取引を始める前に、必ず決めておかなければならないことがみっつある。

「最大損失許容額」と「1回の取引で許容できる損失額」と「取引計画」だ。


● 「最大損失許容額」は自分で決めなければならない。
FX取引で損する危険性があるということなど誰でも知っている。しかし一方で儲かる可能性もあるという期待もある。
この期待とリスクが同程度だと、おそらく、リスク投資をしたことが無い人が取引をはじめてみようとは思わないだろう。何らかの理由で期待の方が大きい人が実際に取引をするはずなのだ。
すると、実際に取引をはじめるときには、損失が出るということに対してあまり具体的な想像をしていない人が多い。

1億円の余剰資金があっても、1円も損をしたくない人は、リスク投資をしてはいけない。

「他の人は一般的にいくらぐらいでしょうか?」などと聞かれることがあるが、そんなことは知らない。私はAFPの資格も取ったことがあるので(更新して無いので失効しているが)、相談されればわかる範囲でこれぐらいでどうですかと提案することもあるが、同じ預貯金がある家庭でも世帯収入や子供の数や家賃やローンなどによって当然違いがある。

そしてこれは、本人が覚悟しなければいけないことだ。
貯金が1000万円ある人が最大で200万円まで無くなることを覚悟する、といったようなこと。200万円無くなったら、とりあえずスッパリ諦める。
その200万円はいつか帰ってくるかもしれないお金じゃなくて、死ぬまで永遠に負けっぱなしになる。そういう意味での最大損失許容額を自分で決める。
これがスタート。
損失額が、含み損であっても最大損失許容額に達したら必ず取引をやめる。
取り返したければもう一度お金を貯めて、何が間違っていたのか見直して、計画を練り直してから出直す。


● つぎに「1回の取引で許容できる損失額」
例えば、利益が出る確率が80%の取引方法があるとする。
その取引は10回行うと2回は損するのだ。
その2回が10回のうちいつ発生するかはわからない。
一気に200万円儲かる可能性があるけど一発で200万円損するかもしれない、というような額で取引をすると、はじめの取引で損が出るとオシマイだ。
大数の法則で100回も試行すると結果はだいたい80%の近似値に収束する。
確率80%という非常に期待値の高い取引方法でより確実に儲けるためには、取引回数を増やすべきなのだ。
期待値80%の取引が10回連敗する確率は20%の10乗だから0.00001%、つまり1000万回に1度しかない。毎日10回取引するデイトレーダーが1年に250日トレードしても、4000年に1回しか発生しないという確率だ。
最大損失額を10分割すれば一度も勝てずに撤退する羽目になることは少ない。


*現実には期待利損幅が対等で勝率の期待値が80%などという取引手法は存在しないか、数年~数十年に一度しか出現しない。


取引の回数を増やせば損失が発生しにくいわけではないが、累積損失が最大損失額に達して一連の取引が失敗に終わった場合でも、間違いを事後検証するためのデータを得ることができる。
数回の取引で資金が底をついてしまったら、運が悪かったのか計画が悪かったのか計画を実行できなかったのが悪かったのかといった分析ができない。


● 「取引計画」には初めにも書いたとおり、最大損失許容額と1回の取引で許容できる損失額という要素を包含しなければならない。
私は損切りはしない。米ドルを買ってアメリカがデフォルトを起こして紙切れにならない限り永遠に持っておく。という人は、最大損失許容額が200万円でドル円のレートが80円なら、2万5千ドル買って放置すればいい。最大損失許容額も1回の取引で許容できる損失額もともに200万円ということだ。本人が納得するならそれはそれでいいと思う。
実際、現物株の取引をしている人にはそういう人が多い。(ただしこれは、儲けるための方法ではなく損切りして実損を出さないための方法でしかない。)


たとえば長期移動平均と短期移動平均のゴールデンクロスとデッドクロスでドテン売買をしたらどうなるか、ということを、いろんな通貨の過去のデータ(バックデータ)で検証してみるわけだ。

たくさんのロジックを考えてバックデータを検証してみたが、試行回数が数百回以上になると、ほぼ全部は「損をする」わけでも「儲かる」わけでもなく、確率的には±0に近づくのである。
そして取引コスト分だけ損をする。

ウォール街のランダムウォークという有名な投資の世界の古典本がある。
マーケットはランダムウォークしており一時的に勝ち負けはあるが最終的にはイーブンに収束する。取引コスト分だけ負ける。投資しても勝てない(胴元は儲かる)。
40年も前にそう喝破してみせたある意味気持ちの良い本だ。
私個人は、マーケットは概ねそのように動いているけれど、ときどき違うと思う。ときどき特徴的でランダムとは言えない動きをすることがあり、ときどきマーケットの動きを予測することができると思う。

それは、マーケットの参加者が全てマーケットに参加することで何らかの得をしようと考えているはずだからだ。
もしマーケットの参加者が全て実需を背景とするヘッジャーで、マーケット自体から利益が上がるかどうかはどうでもいいという立場なら、マーケットはランダムウォークするかもしれない。

マーケットで得をしたいという同じ目的を持った感情のある人が参加しているから、ときどき何らかのアノマリーが生じる。儲かる取引方法を考えるということは、そのアノマリーを発見しようとすることだと思う。
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

Re: No title

Cocoさんこんにちわ、お察しの通りです(笑)

ぼくはレバレッジが何倍だとか追証がかかってるとかかかってないとか、気にしたことがありません。取引会社でどの商品や通貨がレバレッジ何倍とか、知らないです。

最大損失許容額と1回の取引で許容できる損失額を決めたら、レバレッジが何倍だとか強制ロスカットや追証がどうとかいうことは関係なくなります。
さしあたり1回の取引で許容できる損失額の倍ぐらいを取引会社にいくら資金を入れておけばじゅうぶんです。

もうひとつアドバイスするとしたら、取引コストにあまりこだわらないことです。
もちろん安いにこしたことないけど。

たとえばスプレッド3ポイントという会社と5ポイントという会社があるとします。
10ポイント変動で細かく利食い損切りを繰り返すスカルピングのようなトレードをすると、10ポイントに対するコストが30%か50%かという比率なわけだから損益を左右する重要な問題です。しかし100ポイントの変動で利食いないし損切りする取引に対しては3%か5%かという差です。たった2%の違いが損益を左右するようなことはまずありません。そんな取引はおかしいです。
100ポイントといってもドル円で1円ですから大した幅ではありません。

運用手法が確立して儲かるようになったら、自分にとってより有利な条件の取引会社を探すのはいいことですが、見かけ上のコストをより低く見せることに腐心している会社が必ずしも使い良い会社とは言えません。

コストゼロにはなりませんから、細かい動きであたふたして売り買いするとコスト負けします。利食いないし損切りの幅を広めにして、一回一回の取引で儲かったとか損したとかいうことで取引方針を変えてはいけないと肝銘してください。

実取引では儲かっても損しても必ず動揺します。慣れるまでは夜寝られないかもしれません。それは仕方が無いことです。だけどアタフタして方針を変えてはいけません。

何度か利食いや損切りしたあと、できるだけポジションが無い状態で、事前に立てた方針が正しかったのか間違っていたのか、「発生差損益の傾向」を事後検証してください。

あとはPDCAサイクルです。

No title

BROさん、この記事のアップをありがとうございます。

この前「FXに興味がある」なんて話をしたので、心配してくださったのかなー、と思っています。

偶然なんですが、先週末に丁度「ウォール街のランダムウォーカー」を読み終わったばかりです(笑)。その前は、「サラリーマンは2度破産する 」、「ほったらかし投資術 インデックス運用実践ガイド 」、「臆病者のための株入門 」、「敗者のゲーム」などを呼んでました。今後は、「Rich Dad, Poor Dad」、「Snow Ball」、「The Tao of Warren Buffett」を読んでみるつもりです(いつ終わるやら)。投資に関する雑誌は目を通していましたが、やはり書籍はよいですね。様々な検証をもとに深く論じられていますし証券会社寄りではないので、今まで疑問に思っていたことが解消できて、嬉しいです。

FXの勉強もしてみたいな、と思ったのは、①(本業に必要な)金商法の勉強をするのに実際の取引をしてみないとイメージがうまくわかないし、詰まらない(抽象的な理論は苦手です)、②世界同時不況の場面で株式(投資信託)とは異なる動きをする商品でリスクをヘッジしたい(近い将来ギリシャ不安と類似した場面は出てくると思っています)、③老後に備えて投資の知識・技術を高めておきたいからなのですが、FX本を読んでみたとk炉御勉強代が高くつきそうで、BROさんに相談したときは少々躊躇していたところでした。

ご指摘のとおり、かなりの損失額を覚悟せねばならず、且つ、勉強と実践が必要なようですね。覚悟できる上限を決めて、数か月はデモ画面でイメージをつかむ努力をし、その後にレバレッジをかけない形で試してみようと思っていますが、あまりに自己が許容できる損失を超えたり、手間やコストに見合わないと判断したら、手は出さないかもしれません。



プロフィール

BROさん

Author:BROさん
東京都練馬区の研ぎ師です。
営業案内
ご依頼はこちら
ご意見・ご質問はこちら
ご利用頂いたお客様からのご意見ご感想はこちら

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QR
リンク