ハサミの角度を鋭くしすぎると刃体同士が噛み合って閉じないという構造問題

図1
ハサミに掛かる力

図1は二枚の刃体で細い糸を切断する様子の模式図である。

青い矢印は指で鋏を閉じる力。

黄色い矢印は鋏を握る手の構造によって生じる力。
つまり、親指と人指し指をリングに入れて鋏を閉じるとき、親指は押し出す方向に、人差し指は握りこむ方向に力を入れることで生じる力である。
右手と左手では力の方向が逆になるので、一般的な右利き用の鋏を左手で使うとうまく力が伝わらず物を切りにくい。
理美容シザーなどで、スプリングワッシャなどによってこの方向に力を与えている物もある。

緑色の矢印は青と黄色が合成された力。

つまり鋏を閉じるときは緑の方向に力が加わっている。


図2
単純化1

単純化するとと鋏の二枚の刃体は図2のような状態で接している。

図3
単純化2

左右の三角形に図3のように緑色の矢印の力が加わると、右の三角形が上に、左の三角形が下にずれる。

図4
単純化3

一方、図4のように紫色の矢印の力が加わると、右の三角形が下に、左の三角形が上にずれる。


図5
角度2

これをハサミに置き直したのが図5.
力の加わる角度が緑の矢印なら二枚の刃体が噛み合ってしまうことはないけれど紫だと噛み合ってしまい閉じない危険があるということだ。


図6
角度1

刃角度が鈍角になるほど問題になりにくい。


これがハサミの刃角度はあまり鋭角にしてはいけない理由のひとつ。
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