第二回 ツボサン硬度チェック大会 カミソリとハサミ

ツボサン硬度チェック大会、第二回はカミソリと理美容シザー。

引き続き数字の信憑性はあまり無いことを前提にお読み頂きたい。


● 日本剃刀 井上藤助 金文字 炭素鋼 鋼材不明 HRC65以上 
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さすがの硬度。
と思ったけど、白二割込三徳でもHRC65以上だったのでウルトラ硬いというわけでも無いかもしれない。


● 日本剃刀 山サ 炭素鋼 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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刃持ちなどからなんとなくこっちの方が井上藤助より柔らかいのでは、と感じていたが、やはり。
切れ味が甘いわけではない。
どちらでもキレキレに研いだ直後の切れ味は1~2回の使用で甘くなるので革砥でタッチアップが必要。


● 菊井シザー コバルト60 コバルト基合金(ステライト?) HRC55以上 60未満
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意外!
刃物に使えそうなコバルト基合金なのでステライトかと思っていたが、ステライトだと硬度はHRC50以下のようだし。
お高いシザーなので思い切って力を入れられていなかったりして。理美容シザーの硬度は高いめに出ている可能性があると眉に唾塗ってお読み頂きたい。


● 柳生 REOX HRC55以上 60未満
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菊井シザーのコバルトと同程度。
カットシザーとしては標準的だと思う。さほど硬いものはない。
昔のハガネのシザーには硬いのがあったみたいだけど。


● ZACC カットシザー&セニングシザー HRC55以上 60未満
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こちらも妥当な数字。


● 剪定鋏 銘柄不明 HRC60以上 65未満
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おつぎは剪定鋏。
剪定鋏は裏からも研いでやや両刃にするという特殊なハサミ。
これぐらい硬度があって硬い枝を切る用途では必要的なのかもしれない。


● ミツビシマテリアル エヌシキ テスキーS 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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ダンボールのカットに愛用している。薄いスチール板も切れる金属用ハサミ。
用途からしてこんなところか。
鋳鉄かと思ったが違った。そういえば研げるしね。


● 貝印 キッチン鋏 鋼材不明 HRC50以上 55未満
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ほぼ予想通りの硬さ。
キッチンばさみは錆びにくくて分解洗浄しやすい物が良いと思う。


● メーカー不明文具用ハサミ 鋼材不明 HRC50以上 55未満
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どこから入手したかわからない、たぶん新品でも数百円で売ってるようなハサミだと思う。
安物はこんなものかな、という目安に。


● 裁ち鋏 庄三郎 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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中古入手なのでどのグレードかわからないが、炭素鋼系の裁ち鋏。
総裏でしっかり造ってある裁ち鋏はこんなもんじゃないだろうか。SLDの硬刃は65以上あるのか確認してみたいが、残念ながら持っていない。


● 裁ち鋏 与三郎 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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おそらく大正から昭和の初め頃までに作られたと思しき総火造りの裁ち鋏。
鋼材も白紙とか青紙が無かった時代のものかもしれない。



昔のハガネの理美容鋏があれば硬度を調べてみたいところだが、きっと現在の理美容シザーより硬いはずだ。
値段が高いので硬いと思い込んでいる人がときどきいるが、裁ち鋏の方が硬い物が多い。
現在の理美容シザーは総じてあまり硬くない。それよりもパーマ液の2液が酸性のため腐食しやすいので、耐食性が高いことの方が重要だ。
コバルト基合金は耐磨耗性が高いということもメリットだが腐食しないという特性の方が重要なのではないだろうか。ステンレスは錆びにくいだけで絶対に錆びないというわけではないから。

裁ち鋏は耐食性を重視しなくて良いので比較的硬い。
どちらかといえば当然硬いほうが刃持ちもいいはずだ。
庄三郎や増太郎がステンレス系で金型などに使われるSLDという鋼材のハサミを出している。庄三郎では「硬刃」と名づけているように、かなり硬い鋼材だ。
これが理美容鋏で使われていないのは何故かと思って調べてみたら、どうも耐食性があまり良く無いようだ。数種類あるのだが、ステンレスとまでは言えないセミステンレスの物もあった。それが理由だろうか。


第一回 ツボサン硬度チェック大会 牛刀三徳の部
第三回 ツボサン硬度チェック大会 片刃和包丁の部
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