第三回 ツボサン硬度チェック大会 片刃和包丁の部

第三回は片刃和包丁。
白二三徳が異様に硬かったので平均して硬めではないかと予想するが、果たして結果は?

なお、くどいようですが数値には誤差があると考えられます。
硬度チェック用のヤスリの精度を計測していませんし、押し当てる力加減や位置などによって傷がついたりつかなかったりする可能性があるからです。
同じタイミングで同じ人間がチェックしているので、調べた刃物の相対的な硬度の違いについては、ある程度信頼できると思います。


● 有光 相出刃? 5.5寸 炭素鋼 鋼材不明 HRC55以上 60未満
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意外に柔らかかった。
有名じゃない店の製品だが水牛角巻きなのでそこそこ高い物ではないかと思っていたので、も少し硬度は出していると思っていた。
相出刃?と書いたのは他の出刃より薄いため。数本持っている中でこの出刃はよく使うほう。
出刃は骨を切ったり叩いたりするので靱性を重視してこれぐらいの硬度でも充分かもしれない。少なくとも我が家で不満を感じたことは一度も無い。


● 堺刀司 出刃 五寸 岩国作 炭素鋼 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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これぐらいが予想していた硬度。
平を平面に削ったので切銘がほとんど消えて花押だけしかわからなくなってしまった。


● 国助 出刃 五寸 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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どこで入手したか覚えていない来歴不明の出刃包丁。
P柄だが刃はしっかりしていてお気に入り。


● 木屋 小出刃 いづつき 五寸 青紙二号? HRC60以上 65未満
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買ったときは「青二」と聞いた覚えがあるが、現在のホームページでは白鋼となっている。
ホームページなど世の中に存在しなかった時代に買った物なので鋼材が変わっている可能性もある。


● 堺一文字光秀 柳刃(元) 元のサイズ不明 炭素鋼 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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予想の範囲の硬度。
料理人だった知り合いが先輩にもらったという包丁を貰ったもの。貰い物の貰い物。小魚の刺身に使っている。


● 築地正本 ふぐ引き 尺 青二 HRC65以上
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二号で65以上だともっと硬そうな鋼材を調べることができないので困るのだが、先の白二の三徳でも65以上という結果だったので妥当なところだろうか。
両刃は刃先の少しだけ露出したハガネに当てるので力を入れにくいが、片刃は裏全体がハガネなのでしっかり押し付けて調べることができる。それでも削れなかった。ツボサンの黒テスターの実硬度は64~66との表示。


● 堺刀司 薄刃(東型) 鋼材不明 HRC60以上 65未満
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研ぐ前の薄刃。まだ試用していないので切れ味などはわからない。
これも平を平面にする予定。


● 一竿子忠綱 薄刃(東型) 鋼材不明 HRC65以上
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これも硬かった。
硬い包丁は研いだあとの刃先に指先で触れた感触がカリカリ。柔らかい包丁はふにゃふにゃだったりそもそも鋭くならなかったり。


● 堺菊虎 薄刃(東型) 鋼材不明 HRC55以上 60未満
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おそらくいちばん多用している包丁。
菜切り包丁と見紛うほど薄いので切刃をまっ平らにすると刃角度が10度未満になってしまいたいへん刃持ちが悪い。邪道かもしれないが少し蛤気味に研いでいる。それでも刃持ちは悪いので最も頻繁に研いでいる包丁だと思う。樹脂まな板ではすぐ切れ味が落ちるので木のまな板が必須。
薄い・浅いが刃持ちの悪さの原因と思っていたが硬度も低かった。プロの料理人が使うと切れ味は半日持たないだろう。
しかし私はこの包丁をいちばん多用している。
高価な包丁、硬い包丁が必ずしも使いやすい包丁ではないという一例。


※ まとめて硬度チェックするのは今回が最終回です。
今後も自分や知人の刃物で傷つけてかまわない刃物があれば、都度調べてご報告したいと思います。
お持ちの刃物で「ちょっとぐらい傷ついてもいいから試してみてくれ」というものがあればお調べしますので、送って頂くなりしてみてください。
素性のはっきりした方であれば硬度チェックヤスリをお貸ししてもいいです。

第一回 ツボサン硬度チェック大会 牛刀三徳の部
第二回 ツボサン硬度チェック大会 カミソリとハサミ
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