革包丁

革の刃物ケースをつくってみようと思っている。

ダンボールで造った開閉式が便利なのだが、布を貼ってもチープ感が消えないので、ちゃんとしたものを造ってみたくなったのだ。
木工は難しそうだが革の手縫いならなんとかなりそうだと思ったのである。

革包丁は預かり物を研ぐことがよくあるので他の道具よりも馴染みがある。
インターネットであれこれ検索していると、三木の鑿の鍛冶屋さんが造っているものをブログで紹介されていた。
ちなみに三木というのは兵庫県の三木市だ。神戸より西側の南部一帯で、昔の播磨の国。ちなみに私も兵庫県出身だが伊丹市なので摂津の国。三木や小野には学生のころにブラックバスを釣りに通った。
鑿や鉋などの大工道具で良い物が多い。隣の小野市には良い植木鋏を造っている鍛冶屋さんがある。ノコギリの鍛冶屋さんが発祥だそうだ。
この革包丁、ブログで製造の様子を紹介しているがホームページにも製品紹介がなかったので、メールで問い合わせてみた。
すると、半ば予想していた通り一般的な革包丁よりかなり高かったが、いろいろと丁寧に説明して頂けたので、面白そうなので買ってみた。


その革包丁!

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なるほど鑿屋さんが造っただけあって鑿っぽい(笑)

柄は黒檀。硬い。太い。そして重い(笑)
鑿の柄と同じ桂が嵌めてあるが、叩けば抜けるのかな?中子の形は違うから抜けないよね?

刃は分厚い。普通の革包丁や丸包丁と比べると相当ガッチリしている。

なんでも、「力を入れると刃がしなって怖い」というひとがわりといたそうで、
刃元から刃先にかけてテーパーにして剛性アップしたのだそうだ。


そして、その恩恵で裏スキだ!
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さすが鑿屋さん(笑)
裏スキの良い刃物に凡作は無い。

ちなみに革包丁や丸包丁はベタ裏が多い。つまりまっ平ら。
裏スキとは写真のように裏を窪ませた状態、その窪んだ部分のこと。
裏が窪んでいることのメリットは、平面を出しやすいこと。
平面にする理由は、切刃と裏が平面であれば切刃がまっすぐになるため。
ふたつの平面と平面の接線は直線になるのだ。

合わせ刃物は時間が経つと残留応力の解放なんかでちょっと曲がってしまう物がよくある。
そういうとき、ベタ裏だと裏全体を平面に修正しないといけないので大変な作業になる。
しかし裏スキがあれば周囲の砥石に当たる部分だけを削れば修正できるので、簡単に平面が出るのだ。要は簡単に良い研ぎができるのである。

裏スキのある革包丁は他にもあるが、こんなにしっかりした物は見た事がない。

刻印。
「宗家大内 登録」とあって、その下に葉っぱが二枚交差した図柄。
実物を見てもルーペを使わないとよく見えない。
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硬度チェック。
HRC60以上、65未満(※計測器具自体の精度と計測方法の精度が信頼できないので誤差の可能性はあります。)
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カミソリレベルまで研いでみた。
カミソリレベルというのは刃先が毛髪のキューティクルに引っ掛かるぐらいのレベルだ。
さすがにこれぐらいの域の切れ味は刃持ちが悪い。ちょっと試し切りしただけで鈍る。
鈍るといっても、髪に当てて滑らせようとすると引っ掛かって削げるぐらいの切れ味が、滑る程度になるというという程度なので、革を切るのに必要な切れ味がすぐになくなるわけでは無い。

そこで現実的な問題は、実用で気持ち良いレベルの切れ味がどれぐらい持つかということである。

しかし実に残念なことに、私はまだレザークラフトをしたことがない未経験者である。
もしはじめても、他の革包丁と比較しなければ相対評価はできない。

今言えるのは、早く何か切ってみたくてワクワクしている♪ということだけである。
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テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

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