超絶凄ワザ! 刃物対決前編

NHK 超絶凄ワザ!

「前人未到の“切れ味”を目指せ」(前編)

機械管理で工業用刃物を製造している刃物メーカーと、伝統的な手法で主に包丁を製造している鍛冶屋さんが対決するという内容。

定められた条件で鉄パイプをより綺麗に切断する「斬鉄剣」の製造を目指す。(もちろん刀剣類じゃない。刀工以外が刀剣類を造ると銃刀法違反。)
勝敗の判定は鉄パイプが切れるかどうか。
両社とも切れた場合、パイプがより円に近い方が勝ち。

● 対決するメーカー

盛弘鍛冶工場
福岡県八女市 伝統的な手法で鍛造刃物を製造する鍛冶屋さん

福田刃物工業
岐阜県関市  最先端の工業刃物を機械管理で製造する刃物メーカー

● 切断対象
鉄パイプ(中空) 厚さ1.2mm 直径2.2センチ 鋼材・物性不明 机や椅子に使うもの

● 切断方法
「ニュートンのギロチン」と称する装置を使用。
高さ1.5mから鉄パイプに向けて刃物を落下させる。重さは一定。刃物の両端を把持して固定。鉄パイプは台座部分に置かれているだけでクランプなどで固定されていないように見える。

● 製作する刃物に関する条件
製作期間:1ヶ月以内、刃渡り:25センチ以下、厚さ:1センチ以下、材質形状:自由

● 番組の進行

・スタジオで「ニュートンのギロチン」に菜切り包丁(鍛造品)を設置して実験する。
結果、鉄パイプは折れ曲がるが切れない。菜切り包丁はちょうど刃境の深さまで大きく欠けた。
「切るには硬さが必要、硬すぎると折れやすい」
この矛盾をどう解決するか。

・盛弘鍛冶工場(以下「【盛】」という。)は、まず刃線が半月状で上辺が平らな刃物を製作する。パイプと同様の円柱状である巻き寿司を切る寿司切り包丁から着想。材質不明。

・一方福田刃物(以下【福】という。)は優先道路標識の下半分をなくしたような尖った先端を持つ刃物を製作。映像に映った鋼材には「SKD11」の表記。
接触面積が大きいと鉄パイプに通用しないと思った、まずは突き刺すためそういう形にしたとのコメント。
試験結果、刃物が折れる。欠けではなく折れた。貫通性能のため厚さ1mmと薄くにしたためではないか、とのこと。なお同社では何通りもの厚みの刃物を同時製作している。

・場面が変わって【盛】の刃物が完成する。
試験結果、パイプは折れ曲がっただけで切れず、刃はわずかに欠けた。

そこで新たな形状の刃物を製作する。【福】に似た先端が尖った形状。材質・厚みなどは不明。
これで再試験。
すると鉄パイプは見事に切断、しかし断面は半円状になる。
次の課題は断面をより丸に近づけること。

・次回に続く。
予告映像では【福】工場内での歓声、【盛】新しい形状(M字型)の刃物などが映される。


● 感想

まず、この勝負によって会社やその製品の優劣が判定されるわけではないということを理解しておきたい。
刃物を造っている会社にもそれぞれ専門がある。この企画は頑固オヤジのソバ屋と全国チェーンのラーメン屋にブラジル人が美味しいと感じるスパゲティを作る対決をさせているようなものなのだ。

勝負は【福】が勝つんじゃないかと予想。
どちらにとっても畑違いの新開発になるからだ。
最終的に勝つのはひとつの製品だが、発想と試作を多くできた方が有利。社員が何人もいて多くの着想を得ることができ、おそらく鋼材のストックも多様なものがあり、大規模な設備も揃っているので、厚みや硬度を微妙に変えた製品を相対的に短時間で作って多く試験することができるはずだ。
また【福】社のホームページで大きく番組の宣伝をしているのも怪しい。
ただ、いくつか問題もある。
鋼材については耐食性や耐磨耗性なんか関係なくて一発勝負で切れればいいんだから純度の高い炭素鋼でいいだろう。
微妙な温度管理で大量処理できる大掛かりな機械よりベテランが水焼きした方が精度を高められる可能性がある。
もし最終的な製品の形状や硬度が両社ともだいたい同じになったとしたら、低温鍛造した製品の方が粘りがあって強いはずだ。

寿司切り包丁の形状は日本刀の反りと考えれば衝撃を逃がすには有効かもしれない。
ただし寿司切り包丁の刃線が円弧状になっている理由はカツ切り包丁と同じで長い刃線全体を使って中を潰さないように切るためだ。実験のように押し付ける切り方をしては寿司切り包丁の意味が無い。

【福】の刃物が割れたのはおそらく一番薄いものだと思う。番組スタッフにとっては美味しい映像だっただろう。割れるほどギリギリの薄さの物まで試作できるのが【福】の絶対的アドバンテージだ。【盛】のような手打鍛造だと正解だと思うものしか作れない。

どんなになるだろう。
まず、そもそも鉄に食い込ませる必要ある。
力の量は一定なのでより接点を小さくするしかない。
しかし両社が作ったような尖った刃物だと力が集中する一点を中心にパイプを押し潰してしまう。

次回予告映像に出て来た【盛】のM字型刃物はマクドナルドのロゴの真ん中があまり出ていないような形状だった。真ん中の突起をまず突き刺して、円柱がつぶれないようM字の両サイド内側につけた刃に力を分散させるというアイデアだと思う。
刃が欠けずに切り込んでくれるのであれば、パイプのRとちょうど同じ径の刃物をブチ当てるのが一番力が均等に分散されて潰れにくいはずだ。
しかし接線が多いということは刃先Rを極端に小さくする(=鋭くする)必要がある。
すると欠けやすい。被切断物は鉄だし。

最終的にはよりバランスのいい形状と硬さを詰めることが出来た方が勝つと思うが。
後編が楽しみだ。
両方の刃物の分析と鉄パイプの斬れ方の解析をしてくれたら言うこと無しだ。


余談だが、日本刀でも試し斬りで兜割りをすることがあるので斬鉄剣は実在する。子連れ狼の拝一刀が使っている同田貫(どうたぬき)という刀が有名だ。本物の兜は焼入れした鋼なので番組の鉄パイプよりずっと難しいと思う。
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テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

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Re: No title

明日のお昼前に再放送ありますよ!
http://tv.yahoo.co.jp/program/86015869/

No title

テレビ見落としたんです・・・
詳しい解説でよく分かりました。

後半は見ないと・・・
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