珍品2点。

20年ほど前に買って、ずっと自分で研いで使っていた。という包丁。

はじめは錆や汚れで包丁の状態がよくわからなかったが、研いでいるうちに刃境線が見えてくる。
割込み包丁はハガネの出具合が左右で違っているものが多いので、なるべくハガネが出ていない側を多めに研ぐようにしている。

この包丁、裏は特におかしく無いのだが、

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表の刃境線がどうなっているのか、わからなかった。

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刀の刃文で「皆焼(ひたつら)」というものがあるのだが、それに似た模様。
もちろん皆焼とはぜんぜん違うものなのだが、表の地金がだいぶ無くなってしまっているのだ。

鉛筆でいうとこんな感じに削ってしまった状態。

鉛筆図

研ぎやすい表側だけ、角度をつけずに砥石にベタっと寝かせて研ぎまくっていたもよう。
このままいくと鉛筆の芯の部分が無くなってしまう恐れもあるので、角度をつけて、裏側からだけ研いでくださいとお願いした。
果たして今後どうなることか。


もうひとつ。
「本銘 龍王」というはじめてみた銘のペティナイフ。

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この写真を見ても何がどう珍品なのかわかりづらいと思うが、「本銘龍王」の「本」の刻字の上あたりから、刃元にかけて、斜めに影が走っているのがわかるかな?

モノクロでコントラストを調整してみた。

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わかる?

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これならわかるでしょう。

曇り系の1000番ぐらいで研いだときのほうがはっきりわかるんだけど。
帯状に液体がついたまま放置して黒錆になった痕跡じゃないかなとはじめは思ってたわけ。
それがなかなか取れないんで、おかしいなと思ってたら、裏にも全く同じ模様がついてるのに気がついた。つまりどうも、ダマスカス鋼みたいな状態になってるらしいということ。
だけど積層鋼とはぜんぜん違う。そもそも模様が刃元のあたりにしかない。割り込み包丁じゃないから刃の部分まで模様がつながってるし。
ともかく、この帯状に見える部分は他と硬さが違うので、研いだときに表面の荒れ具合に違いが生じて、光の反射具合が変わっているらしいのだ。それが刀の刃文のように土置きして作られたものなのか、割り込み包丁やダマスカスの積層鋼のように異種鋼をくっつけて作られたものか、分からない。景趣があるともいえないし機能的に意味があるとも思えないので、何の目的でこんなふうになっているのかもわからない。しかし何らかの偶然や失敗でこんなふうになるともちょっと考えにくい。

持ち主さんに聞いてみたが、入手元もよくわからないとのことでナゾのままだ。
なにかご存じの方がいらっしゃったら教えてほしい。
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