タダフサ

001_2017110308255593c.jpg

タダフサの三徳包丁は素晴らしい。
何が素晴らしいかって、形が素晴らしいのだ。

ふつうの包丁は側面を砥石に当てて研ぐと、

こんな感じになったり、

01_20171104060029b30.jpg


こんな感じになったりする。

02_201711040600301af.jpg

しかしタダフサの包丁はこんな感じになるのだ。

03_20171104060032d53.jpg

当たり面が湾曲するのは側面がまっ平らないしきれいな曲面になっておらず、うねりがあるからだ。(当て角や力加減や砥石の平面崩れの問題もあるが。)
うねりがある理由はいろいろ考えられるのだが、材料の鋼板がもともと平らではないから、という理由が一番ではないかと思う。
平らではないといっても、通常は砥石に当ててみるまで目視でも指で触れても判別できないような程度だから、実用上の問題は全く無い。

タダフサの包丁の側面にはなぜうねりらしいうねりが無いのだろうか。
材料の鋼板そのものの平面精度はほかの包丁と変わり無いと思う。
おそらく、側面全体をかなり精緻に研ぎ込んでいるのだ。
タダフサの包丁は、刃縁の肉が薄い。
おととい、スーパーで貯めたポイントで安く買ったという新品の柳宗理の包丁の刃付けをしたのだが、新品の段階で刃線から3mmぐらいの部分の厚みはおおむね0.7mm台ぐらいだった。
いっぽうこの写真のタダフサの包丁は使用品で、研ぐ前は細かい欠けもいくつかあったのだが、「研いだことは一度も無い」とのことだった。おなじあたりの厚みを調べると0.5mm台ぐらい。これは相当な薄さなのである。たった0.2mmの違いなのだが、使ってみると誰でも明らかな違いを感じると思う。

材料の鋼板は同じようなものでも、刃先がこれほど薄くなるように側面全体を精緻に研ぎ抜いた結果、タダフサの包丁は、もとの鋼板にあった微妙な凹凸が無くなっているのではないかと考えられるのだ。
逆にいうと、本来あるのがあたりまえの側面のうねりが、タダフサの包丁には無い。
研ぎ屋としてはそういうニッチなところでスバラシイ!と感激するのである。

こういうものをテキトーな研ぎ屋に研がせると、刃先だけ大きな角度をつける乱暴な刃付けをしてしまい、元の包丁の良さが台無しになってしまうので注意が必要だ。簡易研ぎ器の類を使うこともあまりお勧めできない。

関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

非公開コメント

Re: No title

#ななしさん

タダフサ、品薄で入手難しいみたいですね。。。
知りませんでした。

No title

タダフサ、良い包丁を教えて頂きました。
買う包丁が決まりました。ありがとうございます。

炭素鋼をステンレスで挟み込んだ包丁が良いなと思って探していました。

比較的リーズナブルで、刃の造りが良く、鋼材の組み合わせが好みに合う。
最高です。

貝印の炭素鋼+ステンレスを使っていたのですが、廃番になって久しく、
やや長めの牛刀が欲しくなっても条件に合うものが無くて悩んでいたところでした。

・・・公式のサイトで売り切れっぱなしなのが悩ましい所ですが。
プロフィール

BROさん

Author:BROさん
東京都練馬区の研ぎ師です。
営業案内
ご依頼はこちら
ご意見・ご質問はこちら
ご利用頂いたお客様からのご意見ご感想はこちら

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QR
リンク