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GC

GCというタイプの緑色の砥石がある。
グリーンカーボランダムという砥粒を使った砥石だ。

グリーンカーボランダムはダイヤなど特殊なものを除くと砥粒の中でいちばん硬い部類に入るのだそうだ。
何年も前に友人から頂いたものを持っているのだが、硬い砥粒が砥石自身も削ってしまい、ものすごい量の砥泥が出て、形がすぐに変形してしまう。
荒砥石は強い研削力で包丁の形を整形する役割の砥石なのだが、砥粒が硬くても結合剤の混じった砥泥が大量に出ると、泥の中で包丁をこねくりまわしているような状態になって強い研削力は発揮されないし、形がすぐ変形してしまうのも困る。お客さんで、ものすごく変形したGCの荒砥石を使っていて包丁がヤヴァい形になってしまっている方も何人かいた。
しかしリューターやグラインダーに取り付ける砥石としては、ザクザクと鉄を削ってくれるので非常に有効だ。やはり減りは早いのでコストパフォーマンスは良くないのだが、ともかく研削力が強い。

手研ぎの角砥石のGCは使えないが、リューターのビットとしては優秀。そんな印象の砥石である。
しかし今でも手研ぎの角砥石がけっこう売られてはいるので、何かしら需要はあるのだろう。
どんな人が使うんだろう。

そんなふうに常々思っていたら、有名なノミの鍛冶屋の左久作さんがGCの砥石を多用しているというので驚いた。
ホームセターに売られているような量産品ではないので雑な仕上であるはずがない。



この動画の24分ぐらいから研ぎのシーンがある。
けっこう長いストロークで、突き研ぎだった。

私は横研ぎしていたのだが、正しい研ぎ方ではないようだ。



荒砥石なんかで突き研ぎをすると刃先を蹴ってしまわないか不安になるのだが、実際そうしていらっしゃるので蹴らないのだろう。
「細目」というのを使っているとのことだった。ナニワのホームページを見ると細目でも#220のようだ(荒目#46ってw)。お世話になっている砥石屋さんに聞いてみると、三丁掛けの大きいものしかないが細目で硬口のものがあるとのこと。刀の研ぎ師さんが使っているそうだ。理論的には同じ砥石三本で共摺りすると完全な平面が出せるはずなので、三本注文してみた。

そしてこれを注文したすぐあとに、何の縁か高野さんからGCの荒砥石をいただくことになった。
以前から持っていたものとあわせて、三種類5本のGCの砥石を手に入れることになったので、研ぎ比べをしてみた。



結果、以前から持っていた砥石はやはり使いものにならなかった。
軟口で砥粒も粗いのではないかと推測される。
すぐに型くずれして砥泥がすごい。
誰がどういう用途に使うのかナゾである。

これと比べると、高野さんにもらった砥石はかなり使い勝手が良かった。
少なくとも「使えない」というほどのことは無い。

三本購入した砥石は、高野さんにもらったものよりさらに変形しずらかった。
しかしふだん使っているPA(ピンクアランダム)のあらとくんやC(カーボランダム)の120番よりは変形しやすい。

だが変形しやすいといっても許容範囲だ。面直ししやすいとも言える。コストパフォーマンスは悪くなるだろう。

気に入ったのは研削力の強さである。
動画では砥面に砥泥がかなり残った状態で研いでいるが、この状態では性能が発揮できない。砥泥をコマメに流してフレッシュな砥面で研ぐと、ザクザクと削れている。あらとくんで研ぐのと同じ感じで研いでいると、削れすぎていることがあるのだ。
あと、やはり砥泥が多めに出るせいなのか、硬い砥粒であるはずなのに意外に研ぎ傷が深くない。

しばらく使って印象をみてみようと思う。

ノミ研ぎの練習がしたかったのだが、中腰で研げる研ぎ台を作ろうと思いながらまだ実行に至っていない。

ふだんの体勢でちょっと研いでみたが、突き研ぎでも刃を蹴らなかった。ちゃんとカエリも出た。
突き研ぎの一番のメリットは、ノミの柄をしっかり握り込むことができるためブレないことだと思う。



番外。この動画を撮った日、10本ぐらい研いだあとの砥泥。
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テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

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