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柄の修理 溶接 洋包丁の柄を削り出しで作成

柄の修理 パターン3 「溶接・和包丁の柄」

状態:柄の中子が再利用不能
状態:元の鞘材が再利用不能

修理方法:中子を溶接する
修理後の柄のタイプ:洋包丁の柄

欠点:コストが一番高い
利点:完成度は一番高い

費用 8000円~ (税別/2018年6月現在/刃物の種類や状態によって変動します/柄の形や色や素材は作業ごとに変わります)

(1)1本め元の状態1
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(2)1本め元の状態2
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(3)1本め元の状態3 中ほどまで破断している
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(4)2本め元の状態1
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(5)2本め元の状態2
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(6)2本め元の状態3
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(7)下の二本。
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(8)メーカーに修理依頼をしたが、断られてしまった、とのこと。
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2本とも、包丁の通常用途であれば溶接せず中子を生かしたまま再生できたかもしれない。
ナイフや鉈のように強い力を加える刃物はこの状態の中子では使えない。
今回はお客様のご依頼で費用が高くなるが万全を期するため腐食部分をカットして新しく中子を溶接し直した。


(9)完成写真1 今回の柄材はシャム柿
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(10)完成写真2
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(11)完成写真3
少しヒップアップした形にしている。研ぎ減って身幅が狭くなっても指がまな板に当たりにくいように。
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(12)完成写真4
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(13)完成写真5
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(14)完成写真6
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(15)完成写真7
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(16)完成写真8
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(17)完成写真9
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(18)完成写真7
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ヨーロッパのどこかの国ではハガネの包丁が禁止だという噂を聞いた。
そんなバカなと思っていたが、こういう作業を何本もやっていると、炭素鋼の刃体に洋包丁タイプの柄をリベットだけで留めている包丁は、私も構造欠陥だと思うようになった。

もともと包丁は錆びるものだった。ステンレスで品質の良いものが出回り始めたのは40~50年前からではないかと思う。
和包丁は柄の奥が錆びたら交換することが前提になっていて、ホームセンターでも交換用の柄が売られていて、ちょっと器用で簡単な道具があれば素人でも交換作業は可能である。

しかし洋包丁の柄は交換するということを想定していない。
交換作業はかなり手間がかかり、素人がちょっとやれるようなものではない。
リベット留めだけだと、かなり密着させていても乾燥で柄材自体が収縮し中子と隙間ができてしまうことがある。そこに水分が入ってしまうと除去することはほぼ不可能だ。中子の奥で腐食が進むと隙間はどんどん大きくなり、更に水分や汚れが進入しやすくなるという悪循環に陥ってしまう。ステンレスであればこれほど錆びることは無いので問題にはならない。

ハガネの包丁に洋包丁タイプの柄をつけるべきではない、というわけではなく、ハガネの包丁に洋包丁タイプの柄をつける場合は、リベット留めではなくエポキシ接着剤などで全面貼り付けすればいいのだと思う。そうすれば中子と柄材の隙間に水が入ることは無いのだから。
その手間で販価が3000円高くなるとしても、そうすべきだと思う。体裁よくするために鍔なんか溶接するよりよっぽど重要だ。

ガンガン使い倒すプロの料理人さんは5年もすれば買い替える人が多いだろうから、あまりクレームは無いのかもしれないが、一般家庭で10年以上使うのは普通である。そして中子の腐食の問題は10年ぐらい経って顕在化する場合が多い。
包丁屋としてはそろそろ買い替えてくれと思うのかもしれないが、刃体はぜんぜん問題無く生きているのだ。それでも気に入って使いたいと思っているお客さんの気持ちには応えるべきじゃないか。

ちなみに今回は築地正本だが、築地正本だけでなくほかの有名包丁屋でも修理を断られて、うちに送られてくるものが多い。
柄の部分に限れば新品の包丁を作るより修理の方がかなり手間がかかる故。
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テーマ : 刃物の修理
ジャンル : 趣味・実用

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Re: No title

電蝕の影響はあるでしょうねー。
ただその影響が大きいとしたら目釘穴周りがもっとスカスカに腐食してるだろうけど、そういうのはあまり見かけないので、それほど重大な問題とは思っていません。
中子の中央部分に大きく穴が空いているのは水分が滞留したためだと思います。
とにかくはじめから防水処理しとけば万事無問題なはずなんです。

ステンレス割込み包丁の電蝕効果は間違いなくありますね。ハガネ部分だけ錆びてる包丁の錆を落とすと接触部分の錆が深いものがよくあります。

カメラのプラスチッキーな安い交換レンズ、愛用しています(笑)
使い捨てなんですか・・そう言われるとちょっと考えさせられますが、軽くて持ち出しやすいので常用してます。
パソコンや携帯の感覚に馴致されてしまったせいで5年以上も問題無く使えてるから立派なものじゃないかと思ってしまっている自分がいますが、数十年使えるのが普通なんですよね。合成樹脂素材が多用されてる点でもそういうのは望むべくもないのでしょうね。
最近イヤホンが壊れて買い換えたんですが、製品寿命のことぜんぜん考えてないであろう交換不能内蔵バッテリーのBTタイプが主流になってしまってて新品は買う気になれるのがありませんでした。
そのかわり有線の程度のいいのが中古で安く買えました。





> 「ふむふむ、なるほど」と思いながら読ませていただいております。
>
> 柄の部分の腐食は、電蝕の影響が出ているのかもしれませんね?
> 鋼と真鍮の鋲が接触した状態で湿度が高まると、イオン化傾向の差で鋼と真鍮の間に「電池」が形成されつつ、ショート状態で電流が流れる状況となります。
> すると真鍮の腐食が抑えられつつ鋼の腐食が加速します。
>
> 海洋鋼構造物はアルミ合金や亜鉛合金などの「犠牲電極」を取り付ける「流電陽極式電気防食」という防食処理が行われることが多いです。アルミ合金や亜鉛合金を犠牲にして鋼構造物の腐食を抑える方法です。
> トタン板も表面の亜鉛めっきを犠牲にして本体の鉄の腐食を押さえています。
> アルミ鋲だとアルミがボロボロになる代わりに刃の腐食がほんの少しだけ抑えられるかもしれません???
>
>
> 鋼とステンレスが接触していると、鋼の腐食が鋼のみの状況より激しくなりますから、鋼とステンレスの合わせの鋼部(刃先)は腐食しやすくなっているはずです。(その代わり、腐食しやすい部分の露出面積は小さくなっています。)
>
>
> 話は変わり、使い捨ての話。
> カメラ用レンズは普及価格帯のものは修理不可能(分解不可能)を大前提として接着による組み立てを多用するようになってきました。
> 故障した場合、メーカーは修理扱い(「修理料金」)で新品交換とします。
> 分解修理の人件費(人材育成やら仕事がなくても給料払う必要やら)や部品管理コストを考えると、新品交換の方が比較にならないほど圧倒的に安価だからでしょう。(新品製造時もネジ止めやらほぞ止めより製造コストが安くて、製品は小型で軽量になりますし。)
> 車のバンパー。メーカーは数百円で仕入れているけど、修理用パーツ代(工賃含まず)としては売価10万円でも下手すると赤字だとか。なお、新車生産終了後は保管管理費用が上積みされて、値上がりしていきます。
> …というのも昔の話になりつつあり、「補修用部品がありません」に(汗)

No title

「ふむふむ、なるほど」と思いながら読ませていただいております。

柄の部分の腐食は、電蝕の影響が出ているのかもしれませんね?
鋼と真鍮の鋲が接触した状態で湿度が高まると、イオン化傾向の差で鋼と真鍮の間に「電池」が形成されつつ、ショート状態で電流が流れる状況となります。
すると真鍮の腐食が抑えられつつ鋼の腐食が加速します。

海洋鋼構造物はアルミ合金や亜鉛合金などの「犠牲電極」を取り付ける「流電陽極式電気防食」という防食処理が行われることが多いです。アルミ合金や亜鉛合金を犠牲にして鋼構造物の腐食を抑える方法です。
トタン板も表面の亜鉛めっきを犠牲にして本体の鉄の腐食を押さえています。
アルミ鋲だとアルミがボロボロになる代わりに刃の腐食がほんの少しだけ抑えられるかもしれません???


鋼とステンレスが接触していると、鋼の腐食が鋼のみの状況より激しくなりますから、鋼とステンレスの合わせの鋼部(刃先)は腐食しやすくなっているはずです。(その代わり、腐食しやすい部分の露出面積は小さくなっています。)


話は変わり、使い捨ての話。
カメラ用レンズは普及価格帯のものは修理不可能(分解不可能)を大前提として接着による組み立てを多用するようになってきました。
故障した場合、メーカーは修理扱い(「修理料金」)で新品交換とします。
分解修理の人件費(人材育成やら仕事がなくても給料払う必要やら)や部品管理コストを考えると、新品交換の方が比較にならないほど圧倒的に安価だからでしょう。(新品製造時もネジ止めやらほぞ止めより製造コストが安くて、製品は小型で軽量になりますし。)
車のバンパー。メーカーは数百円で仕入れているけど、修理用パーツ代(工賃含まず)としては売価10万円でも下手すると赤字だとか。なお、新車生産終了後は保管管理費用が上積みされて、値上がりしていきます。
…というのも昔の話になりつつあり、「補修用部品がありません」に(汗)

Re: No title

まあでも、さいきんの電気製品と比べれば100倍ぐらいマシでしょうw
パソコンでもなんでも殆どユニット交換ばっかりだし、直ろうが直るまいが10年経ったら修理拒否です。
熱心に修理なんかしてたらバブル時代前後に倒産してたかもしれませんし。
研ぎ屋が少なくなったのも使い捨て・買い替えの大量消費文化が根付いたからかもしれません。
こういう作業をしてくれるところが少なくなっているのは、根本的には消費者側の問題だと思います。ぼくも作業時間を考えるとこればっかりやってたら大赤字です。コンビニでバイトしてる方がいい。
逆に、おかげ様でぼくが面白い仕事やらせてもらえているとも言えるわけですが。



> 物が正本だから、と言う訳ではありませんが、祖母から受け継いだとか、新婚のときに奮発したとか、手に入れた時から始まった包丁の歴史が、家庭の歴史を色濃くあらわしてたりするのかな、とか妄想たくましく思ってしまいました。
>
> 本来なら有名店にお断りされた時点でこの歴史は幕を閉じるところを、BROさんの腕で新しい幕が開かれたということですね。
> これぞ職人の心意気!
>
> ‥‥‥昔は有名店もそうだったんでしょうが、すっかり商売人になっちゃったといったところで、なんとも世知辛い話です。

No title

物が正本だから、と言う訳ではありませんが、祖母から受け継いだとか、新婚のときに奮発したとか、手に入れた時から始まった包丁の歴史が、家庭の歴史を色濃くあらわしてたりするのかな、とか妄想たくましく思ってしまいました。

本来なら有名店にお断りされた時点でこの歴史は幕を閉じるところを、BROさんの腕で新しい幕が開かれたということですね。
これぞ職人の心意気!

‥‥‥昔は有名店もそうだったんでしょうが、すっかり商売人になっちゃったといったところで、なんとも世知辛い話です。

Re: 柄の作りが複雑

複雑にはなって無いと思いますが、ちょっとずつマシにはなってるんじゃないかなとは思っていますw

> なんか柄の作りが依然見たものに比べて複雑になっていませんか?
> 素晴らしいです。
>
> それに新品が買えるほどの料金でも修理したいという気持ちがすごいと思う。

柄の作りが複雑

なんか柄の作りが依然見たものに比べて複雑になっていませんか?
素晴らしいです。

それに新品が買えるほどの料金でも修理したいという気持ちがすごいと思う。
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