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柄の修理

数年前に柄埋めをした包丁が、柄が動くようになってしまったとのことで、再入院。
柄材はそのまま再利用して動かないようにしてほしいというご希望。

001_20180803104601a65.jpg

ちなみにこれはリベットを外したあとに撮影した写真。
送られて来た段階ではちゃんとくっついてるのではないかと思われたのだが、少し力を入れると、ちょっと動く。
完全に分離するわけではない。

ステンレス系で、中子が腐食して膨張しているといった様子ではない。
考えられる可能性は、

1.リベットが損耗して細くなっている
2.リベットを通す、中子にあけられた穴が広がっている
3.リベット周辺の柄材(木の部分)が拡張している

の、何れか。

002_20180803104603185.jpg

2の中子の穴が広がっているということは無かった。リベットと中子と柄材のみっつのなかではいちばん硬い素材なので、もとよりこの可能性は低い。

1については、取り外したリベットはドリルで揉んで壊したので損傷具合がはっきりわからなかったのだが、刃体が動くストローク分ほども摩耗している様子ではなかった。

よって、3の柄材自体が広がってしまっている可能性が疑われる。
しかしこの包丁はスリットに刃体を差し込むタイプで柄材が両側に分割できないので、確認することはできなかった。

今回は中子の側面全体にエポキシ接着剤を塗り、ワンサイズ太い軸のリベットを打ち直して修理した。(修理後の写真はありません。見てもどってこと無いです。)



包丁の柄の修理はほとんどが炭素鋼系の柄が錆びてしまったというもの。
しかし今回のものは、構造問題だと思う。中子が短すぎる。

牛刀分解ダイナミクス

中子が短いのでふたつのリベットの間隔がとても狭く、大きな負荷が二点に集中する構造になっている。
今回は接着剤を中子全面に塗布してくっつけたので、面で支持する形になってくれると思うから、問題はかなり改善すると期待している。
中子が短いという抜本的な問題は解決されていないのでカンペキとは言い難いのだが。
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テーマ : 刃物の修理
ジャンル : 趣味・実用

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Re: No title

柄のスリットと完全にフィットしてるので、もともとこの長さですねw


> 最初から中子はこの長さですか?
> 短すぎるしバッサリカットされている感じもしますが。
>
> ちゃんと愛用していて、修理も頼んでくれるなんて、包丁も喜んでいますね。

No title

最初から中子はこの長さですか?
短すぎるしバッサリカットされている感じもしますが。

ちゃんと愛用していて、修理も頼んでくれるなんて、包丁も喜んでいますね。
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