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手斧研ぎ。
スイススウェーデンのハルタフォースというカッコイイ名前の会社の斧。



手斧は、この動画のように持って突き研ぎすると安定した角度でわりと簡単に研げる。
ただし砥石の選択が大事で、ふつうの包丁を研ぐような中砥石だと、砥石がガリゴリに彫れてしまうと思う。
強く力を入れることができる、斧自体が重い、削る必要のある量が多い、といった理由で、砥石に強い負荷がかかりがちなのである。
変形しずらいあらと君でも砥石が減りすぎるので、シグマパワーの120番を使っている。

シグマパワー120番は荒くて硬い砥石だが、硬い鋼材はツルツル滑って掛かりが悪い。面直し砥石として使えるぐらいである。
割込みや合わせだと、柔らかい地鉄部分はゴリゴリおろせるが、焼き入れした硬い刃鉄部分はツルツルすべって研げている感じがしない。研いでいると地鉄か刃鉄かどちらが砥石に当たっているかすぐわかる。
全鋼でHRC58ぐらいの包丁でも、かなり滑って掛かりが悪い。

しかし斧はかなり柔らかいので、この砥石がいいのだ。
ピーキーな特性の砥石だが用途が嵌まるとほかの砥石に替えられない能力を発揮してくれる。
面直し砥石でも研げるかもしれない。

この研ぎ方でも、大型の斧はヘッドが重く柄も長いので、持てない。大型の斧は砥石を手に持って研ぐ。
全鋼の斧はもともと鋼材があまり硬くないし刃が分厚いので、グラインダーで削っても焼き戻りの悪影響はほとんど無いかもしれない。(ハガネが割込んであるものはやめた方が良い。)


鉈の注文も少ないけど、斧はお客さんからは初めてじゃないかなあ?
自分のとか友達のは研いだことがあるんだけど。

洋斧研ぎ図

欧米の手斧は、このハルタフォースとハスクとバーコのものを研いだことがあるが、断面形状は全て上図のように側面の肉を絞ったホローグラインド形式だった。
バーコの大型の斧は肉抜きが無い平らな側面だった。「スプリッティングアックス」と書いてあったので、薪を縦割りする専用の斧だと思う。
うちに和斧の片手斧があるが、やはり側面の肉抜きが無い平らな側面だ。

バーコの大型斧は私には重く、上手に薪割りできなかったが、持ち主の剣道四段の友達は一番薪割りしやすいと言っていた。

上図のような肉抜きした薄い刃の斧は、薪割り(縦割り)に使おうとすると、刃が薪に食い込んで抜けなくなることがある。
刃が分厚い方が重いし切れ味は悪いのだが、薪割りという用途に限定すれば具合が良いのである。

上図のような肉抜きした薄い刃の斧も薪割りに使わないということはなく、割り裂くという機能は重要なので、包丁のように刃縁の厚みを削いではいけない。

Youtubeで斧を研いでいる動画を何本か見るとコピー用紙みたいなのを切ってみせていたけど、あんなのぜんぜん必要無い。時間をかけて磨き上げた紙が切れるような切れ味なんか樫の木でも叩けば一撃で無くなってしまうだろう。
欠けが残っててもいい。鉈とか斧とか鎌はどうしても石とか釘とかに当てて欠けてしまうことがあるけど、しつこく欠けを落とすと時間はかかるし刃が減ってもったいないだけ。
ピカピカの側面もいらない。私の動画もちょっと光らせてるが、実用的にはいらない。120番で研ぎっぱなしでも良いと思う。

テーマ : 刃物の修理
ジャンル : 趣味・実用

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