片刃の方が両刃より研ぐのがタイヘン、ということについて。

片刃の包丁の修正はけっこうタイヘンだということは前にも書きました。

もうちょっとわかりやすく書くと、

両刃の包丁が欠けたとき、修正するために必要最低限研ぐとしたらこんなイメージ。赤いところが欠けとして。両側から研ぎますが。

gyutou.jpg

いっぽう、片刃だとこれぐらい削り落とさないといけません。

yanagi.jpg

片刃は鎬(しのぎ)まで平面のまま押さないと刃角度が変わってしまうんですね。両刃は片刃でいう鎬の部分がずっと刃先に近いところにありますから、面ごと削る必要はありません。
それから、柳刃みたいな直線部分の長い包丁で、直線部分が欠けると、アゴから全部研ぎおろさないといけません。牛刀なんかだと反ってる部分が大きくて、沿ってる部分の欠けならRの具合はちょっと変わってしまうけど、刃線全部を後退させなくても修正できるんですね。

そして柳刃包丁は薄くて刃こぼれしやすいから、研削力の強い荒砥が使えません。

手砥ぎで長い刺身包丁を研ぐと、ちょっとした欠けでも半日以上かかることがあります。


+++++

記事が前後しますが、「刃断面の画像」に使った写真で説明してみます。

この洋包丁の場合

hakakudo_kiya.jpg

この範囲を研ぎます(両面)。

gyuto02.jpg



一方、このふぐ引き(柳刃)包丁の場合

hakakudo_hugu2.jpg

これだけ研ぎます(片面)。

hugu.jpg


しかも牛刀は刃渡り18センチ、ふぐ引きは30センチ。
牛刀は少しぐらい刃線が歪んでもそれほど問題ないけどふぐ引きは刃線もシノギも直線で切刃も平面じゃないといけません。

直線と平面を維持するには先から元まで一気研ぎできないといけません。
30センチを一気研ぎするには研ぎが安定していなければいけません。

とはいえ。
それほど長くなくて形も狂っていない片刃なら、切刃をペタンと砥石に当てて包丁にまかせて研げばいいだけなので、自分で角度を決めなければいけない両刃よりも簡単であるという側面もあります。

そんなこんなですが。
欠けた包丁や長い間研いでない包丁についていうと、概して片刃の方が両刃より手間がかかります。
関連記事

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

コメントの投稿

非公開コメント

Re: No title

平に傷をつけてそれをきれいにするのはタイヘンですね。
だけどそれは片刃でも両刃でもおなじです。

両刃のほうが平に傷をつけてしまいやすいのも確か。
だけど記事は一般論です。

両刃でいつも平に傷をつけてしまうという人もいます。
それは手首が不安定だから。

練習は大事です。

No title

牛刀も刃欠け直したりして大きくしのぎ筋をあげたら
刃を研ぎ降ろさないと抜けが悪くなるから、そこで出る傷を
消そうと思ったらバフ使うから大変だよ。
傷消さないなら楽だけど
プロフィール

BROさん

Author:BROさん
東京都練馬区の研ぎ師です。
営業案内
ご依頼はこちら
ご意見・ご質問はこちら
ご利用頂いたお客様からのご意見ご感想はこちら

カテゴリ
最新記事
最新コメント
検索フォーム
QRコード
QR
リンク