クイズ

これは何でしょう?

クジラみたいな形の刃物。

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答えは後日。

カキ氷機は刃が命

“お客さんのプロ”がいる。

“プロのお客さん”というのは飲食業や理美容師さんや植木屋さんや大工さんのことである。

“お客さんのプロ”というのは、こういう添え状を寄越すのだ。

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そうすると研ぎ屋は、

「ほめられたって嬉しくねーぞコノヤロー!」

と呟きながら、

なぜかたまたま手元にあったこういうナゾの砥石を使ったりなんかしつつ、

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わりと頑張って形を整えたり、錆落としだけでなく黒染め処理までしてあげちゃったりもするのである。

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杉並のみなさん、8月になったら田螺堂でカキ氷。
http://tanishidou.jimdo.com/




ちなみに、“プロのお客さん”はこういう↓ややこしいご注文をなさられる方が多い。

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小さいカスタムナイフ

ナイフは好きじゃない。

お客さんが持ってくる刃物の中で、ナイフはめんどくさいものが多い。

まず、多くのナイフは日本の包丁のようにアゴが出ていない。そのうえ身幅が狭い。研ぐ余地が少ないのである。
刃元あたりが切れなくなっているのを無理に研ぐと、刃線のカーブが狂ってしまう。
こういう場合、刃元の切れ味を出すのは諦めて刃線の形を維持するべきなのか、刃線が歪んでもアゴまで刃付けするべきなのか、判断ができない。
自分のナイフなら好きに研げばいいのだが、お客さんのものだとどう研ぐのが正解なのかわからないのだ。

正解の研ぎ方がわからないものは、何の目的でどういう風に使うのかという用途から考えればいい。
ところが、それこそがナイフの一番の問題なのだ。

魚を捌いたり、木を削ったり、簡単な工作にも使いたい。
その上で、ぶら下げたティッシュペーパーにスっと触れるだけで切れるような刃にしてほしい。
お客さんにどう使うのかたずねるとそんなことを言い出すのだ。

要は持ち主も何に使うかわからないし、なんなら、試し切り以外の何にも使っていなかったりするのだ。

そしてビクトリノックスやBUCK110を出してきたりするのである。

ムリデスカラ。


この手のオシャレカスタムナイフは更にナンギだ。

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小さいほど研ぐ余地が少なく、うっかり研ぎ傷がつけられない。


しかもなんか、ラブレスみたいな刻印だし・・・orz

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こういう刻字・刻印はまだマシ。
印刷とか色つきなんかだと研磨剤で磨いても消えるから、もっと気を使う。

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自分で研いでみたけどうまく行かなくて、研ぎ傷がついてしまった、と。




切れ味はそこそこ普通になって、傷はあまり目立たなくなりました。
どうでしょう。

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テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

ノミの研ぎ方

大工道具のノミ。
切刃と裏をまっ平らにすれば接線である刃線はまっすぐになるという理屈。
切刃がウネウネになってしまっているものをよく見かける。
ノミ用の冶具なんかも売られていて、私も買おうかなと思ったことがある。

砥石の上で前後させて研ぐとき、長い柄が遠心力でブレてしまい、安定しないのだ。

そのため以前はわざわざ柄を外して研いだりもしていた。

輪ゴムを使うと安定する。
動画で。

テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

鳶鉈(とびなた)

6月にオークションで買った鳶鉈(とびなた)。

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鳶鉈の先端部分が飛び出ているのは、木を根元から切るときに先端を傷めないため。
手鉤として木の枝を引っ掛けるのに使うこともできる。


ホルツサビチェンジャーで赤錆混じりのヒラを真っ黒な不動態皮膜に。

・柄を外して、欠けを取り、刃線をだいたいまっすぐにする。

・天然砥石の小割れで切刃をざっくり磨く。



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※鋲を打っていないのでテープで仮留め。

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早速使ってみた。
毎年庭に伸びてくる厄介な桐の木を成敗。


ロウ付け 菜切り包丁 柄の修理

商人にとって商品の使命は売れることなので、売れる価格がその商品の価値である。
しかし商品の本当の使命は売れることではなくそのあと何かの用途に使われることだ。
だから、商品の価値を最終的に評価するのは、その商品を使う人なのである。

オークションなどで売られている中古品の値段が安いのは持ち主の手を離れたものだからであるが、かなり使い込んでいるけどなんとか修理できないかといってうちに送られて来る包丁は、持ち主にとっては新品に替えられない価値があるのだと思う。


正広の菜切り包丁

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短いだけでなくかなり痩せて肉が薄くなっている。
ロウ付けしてみたものの、どうも強度に不安があった。


そこで、やり直してコの字にはめ込む加工をしてみた。
これでたぶん大丈夫だと思う。

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このあとエポキシ接着剤で防水処理して、完成。

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菜切り包丁でもこんなに薄いものは少ない。

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これはイカン。

”よくない包丁”はいくらでも見てきたが、欠陥品は初めて。
仕事柄、ほとんどどんな包丁でも、“ともかく使える”という程度には直せるつもりだが、これはどうにもならない。

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初見では、表全般で刃線に地金が出てしまっているように見えた。
片面だけ研ぎすぎたせいで中心がずれて、裏の地金が刃線に出てしまったのかなと思ったが、ふつう、右利きの人が片面だけ多く研ぐと、地金が刃線に出てしまうのは裏面である。(だから片刃の包丁は裏にハガネが着いている。)
左利きの人が研いだのかな?と思いつつ、ともかく、ハガネが刃線全体に出るまで表を研ぎ減らすべく削ってみた。
すると、なんと、先端近くと刃元のあたりで、裏から地金が出てしまったのである。

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ある部分でハガネを前に出そうとすると、反対の面で、別の部分で地金が前に出てしまう。
つまり、中心にあるべきハガネが捻じ曲がっていたのであった。

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ハガネの曲がりに応じてウネウネに包丁を研げば全体にハガネが出るのかもしれないが、鎌や丸ノミじゃあるまいし、しかも、ただの曲線ではなくMの字に研ぐ必要がありそうだ。そんなめんどくさいことやってられない。さらには、もしできたとしてもむちゃくちゃ使い難いと思う。
「ザンネンですが不良品です」といってお返しした。

日本の包丁の鍛冶屋さんの名誉のために申し添えるが、こんなものを掴まされてしまうことはほぼ無い。何万本も包丁を研いできて初めて見た。山道を歩いていたら頭上から鹿が落ちてきてぶつかった、ぐらいの確率だと思う。

そもそも、刃付けした時点で鍛冶屋が気付かないわけが無いから、ふつうは製品に回すはずが無いのだ。
何でこんな風になってるのかよくわからない。
手打ちで、割込みや合わせの包丁は、焼き入れで曲がるものがあるが、ハンマーで叩いて修正するのでこんな風にはならない。
曲がったままの分厚い包丁を、叩いて修正せずに、まっすぐになるよう薄く削り出したらこんな風になるのだろうか?ダマスカス模様と同じ理屈で。

どこかの物産展で購入したということなので、販売店も鍛冶屋もわからないかもしれないのだが、不良品とわかってて故意に流通させた疑惑がある。

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今使ってるあらとくんに頻出

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小さいダマ。天然砥石にはときどき小石が紛れ込んでることがあるけど人造砥石ではあまり見ない。

そのつどニードルでほじくって取り除いているが、少し研ぐとまた出てくる。まいった。

テーマ : 刃物
ジャンル : 趣味・実用

刃物になる

バガボンドの37巻が出た。
週刊モーニングは読んでいないので私にとってはコミックが最新になる。
超有名なマンガだが知らない方もいるかもしれないのでいちおう説明すると、天才バカボンのようなギャグマンガではなく、吉川英治の小説宮本武蔵を井上雄彦が漫画化した作品だ。バガボンドとは放浪という意味である。

宮本武蔵が貧しい農村に住み着きその村の女性達に請われて剣術を教えるという件がある。
これは原作になかったと思うが、
そこで武蔵曰く、

「腕は無いものと思って(剣を)振ってください」

「自分の体とは違うものをもってるから放しちゃいけないと力いっぱい握る」

「でもその力は相手を斬るのには使われず自分を縛るだけ」


井上雄彦は原作に沿ってこのマンガを描いてはいるけれど、かなり大きく逸脱して物語を再構築している。
このマンガを描くために古武道を習っているそうで、そういった中で井上雄彦が創作して武蔵に喋らせた言葉だと思うが、毎日包丁を握って研いでいる者としても何事か感じさせられるものがあった。

試しに腕がないものと思って研いでみると、力を入れすぎないことに役立つかもしれないと思った。しかし私の普段の感覚はちょっと違う。私自身が自分の手に握られている刃物そのものになって砥石で研がれる、といった感覚である。
刃物に憑依する小さな自分がいて、刃物を動かしている大きな私は小さな私の意思に従って滑らかに動く巨大ロボットのようになるのだ。
そういう感覚になると、刃物のどこがどういう風に砥石に当たっているのかや砥石表面の凹凸が感じられるような気がして、うまく研げたなと思えることがある。
私などはまだまだペーペーの新米だが、何につけ手仕事を生業としているその道何十年という一流の職人や達人はみな、何かしら同じような感覚を当たり前に持っているのではないだろうか。

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

改造中

だいぶ昔に買った佐治武士のダマスカスナイフ。
おそらくVG10。

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どこで買ったのかも覚えていない。
もう20年ぐらい昔かもしれない。

刃物研ぎに凝るずっと前で、使うこともないので研いでもいなかった。
元はがっつり小刃がついていてそれほど切れ味は鋭くない。

木の鞘に入れてほったらかしていたらうっすらと錆が浮いていたので、鏡面に磨き上げてみたらダマスカス模様がまったく見えなくなってしまった。内曇砥石を使えば霞まないかと思ったがうまくいかなかった。ステンレスだからかもしれない。エッチングもうまいかず、ショットブラストでもやるしかないが、そこまで装備を揃える気にもなれない。
だいたい、使って研ぐたびにショットブラストで処理するなんて全く実用性を無視した話である。
私がダマスカス嫌いになった原因のナイフである。

YouTubeに鹿狩りの動画をたくさんアップロードしているJP SikaHunterさんが、鹿の解体に使っているナイフについてもいろいろ説明していて、2月の記事に書いた「頭落とし」の形状の理解にずいぶん役立ったのだが、その動画に触発されて上の佐治武士和式ナイフを片刃仕様にしてみることにした。

裏面を平に。
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裏スキはさすがに入れない。
完全平面でもなく少し膨らんでいるが鎬は無くした。

アトマエコノミーの荒目でゴリゴリ削っているのだが、この段階で切れ味がおそろしく良くなる予感。
VG10は藤次郎のコバルトなどはよく研ぐことがあるが、それらと違って粘りのある良い感じのカエリが出る。

さあどうなるか。
ぼちぼち仕上ます。

テーマ : 包丁研ぎ
ジャンル : 趣味・実用

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