いい包丁

この仕事をしていると

「良い包丁ってどんなの?」

と聞かれたり、

「あんまり良い包丁じゃないんだけど」

とか

「これって研いでもらうほど良い包丁かしら?」

とか

「この中でどれかいちばん良い包丁選んで(それを研いで)」

とかしょっちゅう言われる。

洋包丁の値段は、

・大きさ
・鋼板の厚み
・柄の構造
・製造の手間
・鋼材

ぐらいの要素でだいたい決まっているようだ。

しかし値段とは別に「良い包丁」の私にとっての定義はもっと単純だ。「持ち主に愛される包丁」である。

高価できれいな包丁でも飾られているだけで使われていない包丁は私にとっては「良い包丁」に見えない。いや、飾って愛でられているなら、それはそれで良い包丁かもしれない。高価でカッコイイ白一水本焼き尺二の柳刃包丁を買ってみたけれど、狭いキッチンで刃を欠いてしまい、研ぐ技術が無いので仕舞い込んでいると錆びてしまった、というような包丁は最低だ。包丁が悪いわけではないし、必ずしも持ち主が悪いとも言い難いのだが、持ち主にとってそれが良い包丁じゃないことは間違い無い。

真っ黒に錆びて刃道は大きく変形してしまい、柄も取れてしまっている、おそらくそれほど高価でも無かったであろう包丁を、

「研ぎ代と柄の交換で3000円かかりますが。」

と言っても

「直してちょうだい」

と渡されるような包丁の方が、私からすると良い包丁である。
どんな素晴らしい新品の包丁もその包丁には代えられないのだと思う。



ただ、問答無用で良い包丁だ、と思うものも中にはある。

これもそういう包丁。

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「頂き物で錆びてしまっているんだけど、研ぐほどのものかしら。」と持って来られた。

源正金の牛刀。関のOEMでは無い、本物。

いやいや、ぜんぜんもう、むちゃくちゃ良い包丁ですから。
それにしてもよく残っていたもんだ。
包丁は一生物とか孫子の代までとかよく言われるけど、良い包丁をしっかり研いで良い状態で使い続けると、一般家庭でも10年ぐらいでかなり小さくなってしまうと思う。良い包丁ほど使われるので残らない。
使わなくなって錆をまとうと捨ててしまう人も多いと思うし。

黒錆は残しておくかどうか確認したが、せっかくなのでひととおり磨いてほしいというご依頼であった。

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正金は、何がすごいかっていうと、厚みの抜き加減がスバラシイのだ。

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こんなに薄く研ぎ抜いている包丁は他には見たことが無い。

刃線に沿って3mm幅のマスキングテープを貼って、刃線から約3mm離れた部分の厚みを、先端から刃元まで何か所か測ってみた。
小さい方が平均して0.5㎜台の前半。
大きい方は、刃元付近以外は0.4㎜台だった。
斜辺が3mmで底辺が0.5㎜の二等辺三角形の頂角は10度以下になる。
こういう薄さになると、へなちょこな鋼材では簡単に塑性変形してしまう。
硬すぎたり粘りが無いと割れてしまう。
こういうところまで絶妙に成形するとき、鋼材の質や焼き入れの良否が問題になるのだろうと思う。

源正金はもう会社が無いので入手困難だ。
そういえば一竿子忠綱の牛刀もウスウスだったなあ。いつか入手して測ってみよう。
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ヤヴァい。

大きく欠けて柄が腐食したダマスカス模様の包丁。

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これぐらい欠けた包丁も柄がボロボロの包丁も、珍しくは無いが、なんか変。

ふつうこれだけ柄がボロボロになるのは柄の内部の金属部分の中子が錆びて膨張して、内側から割れてしまうような場合だ。
中子がステンレスで外面だけ朽ちているものもあるが、こんなふうなものは見たことがない。
板前の使う包丁で手の形に凹んだものもあるが、これはそういう風でもない。なんというか・・・流木?虫食い?

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何十年も昔の包丁でもこんなふうになっているものは無いので、何らかの激しい腐食作用のある物質に侵害されたとしか考えられない。

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欠けもよく見ると、、、、

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錆だ!!
硬い物を切ったりして欠けたのではなく、孔食が貫通したものに違いない!

ちょっとやそっと、殺菌目的で普通の濃度の洗剤に漬け置きしても、ここまでにはならないと思う。
エッチングでダマスカスを目立たせようとしてサンポールにでも漬け込んだのだろうか?
真相は藪の中である。


グラインダーでゴリゴリに削って直した。

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GC

GCというタイプの緑色の砥石がある。
グリーンカーボランダムという砥粒を使った砥石だ。

グリーンカーボランダムはダイヤなど特殊なものを除くと砥粒の中でいちばん硬い部類に入るのだそうだ。
何年も前に友人から頂いたものを持っているのだが、硬い砥粒が砥石自身も削ってしまい、ものすごい量の砥泥が出て、形がすぐに変形してしまう。
荒砥石は強い研削力で包丁の形を整形する役割の砥石なのだが、砥粒が硬くても結合剤の混じった砥泥が大量に出ると、泥の中で包丁をこねくりまわしているような状態になって強い研削力は発揮されないし、形がすぐ変形してしまうのも困る。お客さんで、ものすごく変形したGCの荒砥石を使っていて包丁がヤヴァい形になってしまっている方も何人かいた。
しかしリューターやグラインダーに取り付ける砥石としては、ザクザクと鉄を削ってくれるので非常に有効だ。やはり減りは早いのでコストパフォーマンスは良くないのだが、ともかく研削力が強い。

手研ぎの角砥石のGCは使えないが、リューターのビットとしては優秀。そんな印象の砥石である。
しかし今でも手研ぎの角砥石がけっこう売られてはいるので、何かしら需要はあるのだろう。
どんな人が使うんだろう。

そんなふうに常々思っていたら、有名なノミの鍛冶屋の左久作さんがGCの砥石を多用しているというので驚いた。
ホームセターに売られているような量産品ではないので雑な仕上であるはずがない。



この動画の24分ぐらいから研ぎのシーンがある。
けっこう長いストロークで、突き研ぎだった。

私は横研ぎしていたのだが、正しい研ぎ方ではないようだ。



荒砥石なんかで突き研ぎをすると刃先を蹴ってしまわないか不安になるのだが、実際そうしていらっしゃるので蹴らないのだろう。
「細目」というのを使っているとのことだった。ナニワのホームページを見ると細目でも#220のようだ(荒目#46ってw)。お世話になっている砥石屋さんに聞いてみると、三丁掛けの大きいものしかないが細目で硬口のものがあるとのこと。刀の研ぎ師さんが使っているそうだ。理論的には同じ砥石三本で共摺りすると完全な平面が出せるはずなので、三本注文してみた。

そしてこれを注文したすぐあとに、何の縁か高野さんからGCの荒砥石をいただくことになった。
以前から持っていたものとあわせて、三種類5本のGCの砥石を手に入れることになったので、研ぎ比べをしてみた。



結果、以前から持っていた砥石はやはり使いものにならなかった。
軟口で砥粒も粗いのではないかと推測される。
すぐに型くずれして砥泥がすごい。
誰がどういう用途に使うのかナゾである。

これと比べると、高野さんにもらった砥石はかなり使い勝手が良かった。
少なくとも「使えない」というほどのことは無い。

三本購入した砥石は、高野さんにもらったものよりさらに変形しずらかった。
しかしふだん使っているPA(ピンクアランダム)のあらとくんやC(カーボランダム)の120番よりは変形しやすい。

だが変形しやすいといっても許容範囲だ。面直ししやすいとも言える。コストパフォーマンスは悪くなるだろう。

気に入ったのは研削力の強さである。
動画では砥面に砥泥がかなり残った状態で研いでいるが、この状態では性能が発揮できない。砥泥をコマメに流してフレッシュな砥面で研ぐと、ザクザクと削れている。あらとくんで研ぐのと同じ感じで研いでいると、削れすぎていることがあるのだ。
あと、やはり砥泥が多めに出るせいなのか、硬い砥粒であるはずなのに意外に研ぎ傷が深くない。

しばらく使って印象をみてみようと思う。

ノミ研ぎの練習がしたかったのだが、中腰で研げる研ぎ台を作ろうと思いながらまだ実行に至っていない。

ふだんの体勢でちょっと研いでみたが、突き研ぎでも刃を蹴らなかった。ちゃんとカエリも出た。
突き研ぎの一番のメリットは、ノミの柄をしっかり握り込むことができるためブレないことだと思う。



番外。この動画を撮った日、10本ぐらい研いだあとの砥泥。
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ホンダ・ピープル

原付の法定速度制限30キロというのは、私は断固として撤廃すべき法規定だと思っている。

原付が不安定な乗り物で30キロ以上の速度を出すのが危険なのだろうか。
それとも、1日の講習だけで技能試験らしい技能試験もなく、あるいは自動車の免許を取ればまったく練習も技能試験もせずにオマケでついてくる、簡単に取得できる免許制度だからだろうか。

観念論ではなく、現代の日本の道路交通事情と原付として売られている製品の性能に即して考えてみるべきだ。

前者に該当するような原付はいまや販売されていない。
50キロで日本のふつうの道路を走ると危険な原付なんか、無い。
自分で作れるじゃないか、とか、輸入車にはスンゴイのがある、という指摘は、正しい。
しかしもしそれが理由で30キロ制限されているのなら、原付としてナンバー取得可能な車両の要件を厳しくする方が正解だ。時速40キロで日本のふつうの道路を走ると不安定な乗り物に、ナンバーを発行してはいけないと思う。

後者についても同じで、もし簡単に免許を取得できるから速度を30キロに制限すべきだというなら、免許の取得要件をもっと厳しくして、50キロや60キロで道路を走っても不安の無い人にだけ免じて許可すべきなのだ。オートバイで60キロも出して走るのコワーイ!というような人は現代の日本の道路をオートバイで走ってはいけないと思う。

ヘルメットの着用が義務付けられた当初は何だよめんどくさーと思っていたが、これは全くもって正しい規制だったと思う。このとき同時に30キロ制限という規制を撤廃すべきだったのだ。

いまや原付の30キロ制限で恩恵を被っているのは、簡単に違反を取締できて実績と実益を得られる警察官だけだろう(赤切符の罰金は国庫に納付されるが青切符の反則金は所轄警察に還付される。)。
もちろん私は原付なんてバカバカしいものに乗る気はサラサラ無いので所有している50㏄の三輪バイクは青ナンバーのミニカー登録だ。


さて、原付が30キロ制限なんてことになったのがいつ頃なのか調べていないが、おそらく、かなりの割合の道路が未舗装路であった時代に、こんな文字通り「原動機付きの自転車」が走っていたころには、50キロや60キロで走るとほんとに危険だったのかもしれない。

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古びた電動アシスト自転車ではない。

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ウィンカーもライトもついてる!

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もちろんナンバーもついている!

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バッテリーとモーターではなく、燃料タンクとエンジン(笑)

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マフラーも!(笑)

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チェーンの脱落防止だと思われる。

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カギもちゃんとついている!
KTMフリーライドよりすごいかも!!

オーナーさんは直して乗るそうです(笑)
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刃物研ぎ講習が無事終了

日曜日、刃物研ぎ講習会が無事終了。
ご参加いただいた皆様、お手伝いいただいた高野さん、会場をご提供いただいたレクトサンドカフェの毛利さん、まことにありがとうございました。

6月と7月に講習会を実施したあと、なんだかテキストがまとまっていない気がして修正したいと思っていたのだが、思うばかりで前に進まずダラダラと開催せずにいたら、「次はいつやるのですか?」というありがたいご催促を頂戴したのでバタバタと今回の開催に至った。

講習会開催日という締め切りが決まると気に入ろうが気に入るまいが完成させなければいけない。金曜日まで加筆したり削ったりと修正していて、まだ付け足したいこともいろいろあるのだが、全体的には今回はけっこういい感じにまとまったんじゃないかなと自分では思っている。
パソコンモニターで見るのと実際に出力したものを見るのとでは印象がかなり変わるので、ゆうに10回以上は試作バージョンをプリントアウトしたのだが、ボリュームが増えたのでコピー用紙があっという間に無くってしまう。開催間近の月曜日にはトナーカートリッジの警告が出た。こういうときアマゾンのお急ぎ便は重宝する。前日に出ていたらムチャ高い純正品を買うかキンコズに走るかしなければいけなかっただろう。
コピー用紙は3束買った。トナーカートリッジも心配無い。
準備万端で土曜日にようやく予備も含めて12冊分の印刷製本に取り掛かったのだが、分厚くなったせいでホチキスの針が通らない。いや通るものもあるのだが、3発に1発ぐらいの確率で失敗する。
もちろん一般的なサイズの文房具用のホチキスではなく、もう少しがっちりした針を使う、建築などにも使われるタッカーを使っているのだが、それでも針が通らない。
3発に2発ぐらいは通るので、力が逃げないように固い台の上に置いてブレないように直上からバシっと力を入れてみたりするのだが、どうも「こうすれば高確率で成功する」というポイントが見つからない。そのうち3発に2発ぐらい失敗するようになってしまった。あれこれ試行錯誤したが、うまく刺さるかどうかは「運」という結論に至った。
このままでは埒があかない。調べてみるとホチキスにもいろいろサイズがあり、30枚までとか70枚までとか100枚までとか、それに応じて針もサイズもいろいろあるようだった。今回のテキストは40枚+製本カバーぐらい留められれば良いのだが、安全を期して「30枚以上110枚まで」というタイプを、アマゾンのお急ぎ便でも間に合わないので急遽ホームセンターで購入してきた。
刺さる刺さる。
それまでのタッカーの悪戦苦闘はたとえると、爪楊枝二本でご飯を食べようと苦労していたような感じだ。なぜ折れるんだ!こういう持ち方でこんな力加減ならうまく肉が持ち上げられたぞ、ああまた折れてしまった!!みたいな苦労をしたあげく、いよいよお箸というものを使ってみたら、魔法のように何の苦労もなくなんでもつかんで食べられた!!という感じ。

このほかにもプリンターが「お待ちください」という表示のまま2時間待っても動かなくなってしまいドライバを再インストールしてパソコンも再起動してやっと動いたりして、土曜日は午前中にサクサクっと印刷して準備万端になるつもりだったのに気持ち的に大変焦らされる一日になってしまった。
これからは、準備は前々日までに完了させて、前日は準備の予備日にしようと思う。

バタバタのせいか、やはり当日は大事な忘れ物をしてしまった。
カメラを三脚に設置して電源をonにしたが電源が入らない。バッテリーが入っていない!だいじょうぶ予備がある。2本も。バッテリーを入れて電源を入れた。「NOCARD」というオレンジ色の文字が点滅した。カメラを片付けて三脚を折り畳んだ。
タブレットでも撮影できたのだが、なんだか心が折れてしまったので、今回は動画も静止画も撮影していない。


個別の講習はだいぶ前からやっていた。
砥石も販売しているので購入したなじみのお客さんには簡単に研ぎ方をお教えしたりもしていた。講習会で想定している対象者はこういった未経験者や初心者で、ご家庭の普段使いの包丁2~3本を寿命になるまで10年ぐらい良い状態で使い続けて頂くということを目的としてる。
ところが6月と7月の講習会をやってみてどうもなんだか様子が違うことが判明した。
まず参加者がほとんどオッサンなのだ。女性率1割以下。ちなみに講習ではない刃物研ぎのお客さんは8割方女性である。
高円寺のこじゃれたカフェでエプロンをつけたオッサンの集団が包丁を研いでいる様子はとても怪しいらしく、通り掛かる人達が怪訝な顔をして覗き込む。
そして「何しに来たの?」というような想定外の上級者がチラホラ混じっている。こうするんですよと説明する通りに初めからできてしまうので、実習の二時間は退屈ではないか?と不安になる。程度の差こそあれ、総じてなんにもわかりませんというズブの素人はほとんど来ないということがわかった。テキストをもう少し掘り下げた内容にしたいと思っていた理由のひとつもこういう事情による。実際のところ今回のテキストの変更点は内容より図とか構成の組み換えが多いのだが。

もちろん初心者や女性も少ないが参加されるので、そういう人でもわかる内容でなければならない。
ポイントを絞り込みづらい参加者層の幅の広さに悩まされる。

さて、今回は予想以上に参加希望者が増えたので午前の部も開催することになり、午前5名、午後も5名という構成になった。
その午後の部が、5名のうち女性が3名で、しかもその中の2名が全くの初心者という異例の状態だった。
しかもそのうち一人はセラミック包丁と100円ショップの包丁しかもってない、お料理はあまりしない、という人だった。
なぜ参加!!??
とりあえず講義と2時間ほどの練習でけっこう上手になっていただけたと思うのだが、せっかくなのでこれからは研いだ包丁でひんぱんにお料理するようになってもらえると嬉しい。
しかし初心者の女性に切れ味を試してもらうとちょっとしたことで大袈裟気味に歓声をあげてもらえるので、この点については大変ありがたい。けっこうベテランな男性だと眉間にしわを寄せて「ウーンマダマダ」と言ったりするし、喜んでもらえても「スゲ~~!」とはしゃいだりすることは決してなく、野太い声で「おお~~・・・」と唸るのである。やはりウソでもいいから「キャ~すご~いこんなの初めて~!」と言ってほしい。
イベントごとでよく女性割引されている理由が納得できる。
こんどからサクラ雇おうかなあ?
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ジャンパー

ここ数年、東京の多国籍化が甚だしい。
ここ数年でグっと増えた感がある。
中国人観光客ばかり話題になっていたが、アベノミクスで為替を円安に振って以降、何人といわず金持ちっぽくない若者の観光客などが大変増えている気がする。逆に金儲け目的で違法滞在する外国人労働者のニュースは見なくなった。

うちの前の家が建て替えられて、どうも女性専用のシェアハウスのようになっているらしいのだが、そこにヒジャブをまとった女性がたくさん出入りしている。東南アジア風の顔立ちに思えるが、どこの国の方達なのかはわからない。

中板橋商店街では出店場所の近くに「板橋宿」という3000円代ぐらいで泊まれる安宿ができて、利用者はほとんど外国人のようだ。アジア人も白人も黒人もいる。このあたりはお茶屋の小宮園さんの奥にある剣道場でドレッドヘアーの黒人が練習していたり、近くのふつうの公立小学校に中国の子が通っていたり、庶民的密着型多国籍化が進んでいる。

青山熊野神社の周辺はモデル事務所がいくつかあるそうで、9頭身のバービー人形みたいな白人女性が集団で闊歩していたり、そういうモデルさんらしき人が仕事場所のすぐ脇のビルの壁を背景に何やら撮影していたり、外国人向けの保育園があるらしく白人黒人の保育士さんが白人黒人アジア人の子供の集団を散歩させていたり、ハイソ系多国籍化が進んでいる。

お客さんも外国の方がけっこういる。
火曜日は「急いでやって。今日やって。」と中国人の女性が電話をかけてきて、うちまで中華包丁を4本持ってきた。
昨日の木曜日は青山熊野神社で仕事だったが、ジャンパーを着た中肉中背のすごくふつうな白人の、まるで「青山の外人」っぽくないおじさんがペティナイフを持ってきた。ファッション用語は変遷がめまぐるしいので「ジャンパー」という言葉が死後になっていないか念のため検索で調べてみたら、ちゃんと「ジャンパー」というカテゴリーは残っているようで安心した。Wikipediaによると「ブルゾン」と同義らしい。ちなみにいま「ブルゾン」で画像検索するとおかっぱ女性の顔のアップがいっぱい出て来てめんどくさい。

で、このおじさんは日本語がほとんど話せなかったので、たどたどしい英語で
「ユアネーム、アンド、テレフォンナンバー、プリーズ。」
と言ったら、名刺をくれた。

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特命全権大使って・・・(^^;

三省堂 大辞林
とく めいぜんけんたいし [9] 【特命全権大使】
外交使節の第一階級。外国に駐在し,自国元首の名誉と威厳を代表し,駐在大使館の長として外交交渉および自国民の保護にあたる。全権大使。大使。

大使館は東京の都心部に100個以上も密集しているのでぜんぜん珍しくもなんともないのだが、大使本人と話をしたのは初めてだ。

棒みたいなペティナイフだったのでいつものように容赦なくゴリゴリ研ぎ卸して、磨いている暇も無かったのでいつものようにバリバリの研ぎ傷まみれでお返しした。

しかし、大使ってあんな感じでいいのかなあ・・・?
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タダフサ

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タダフサの三徳包丁は素晴らしい。
何が素晴らしいかって、形が素晴らしいのだ。

ふつうの包丁は側面を砥石に当てて研ぐと、

こんな感じになったり、

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こんな感じになったりする。

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しかしタダフサの包丁はこんな感じになるのだ。

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当たり面が湾曲するのは側面がまっ平らないしきれいな曲面になっておらず、うねりがあるからだ。(当て角や力加減や砥石の平面崩れの問題もあるが。)
うねりがある理由はいろいろ考えられるのだが、材料の鋼板がもともと平らではないから、という理由が一番ではないかと思う。
平らではないといっても、通常は砥石に当ててみるまで目視でも指で触れても判別できないような程度だから、実用上の問題は全く無い。

タダフサの包丁の側面にはなぜうねりらしいうねりが無いのだろうか。
材料の鋼板そのものの平面精度はほかの包丁と変わり無いと思う。
おそらく、側面全体をかなり精緻に研ぎ込んでいるのだ。
タダフサの包丁は、刃縁の肉が薄い。
おととい、スーパーで貯めたポイントで安く買ったという新品の柳宗理の包丁の刃付けをしたのだが、新品の段階で刃線から3mmぐらいの部分の厚みはおおむね0.7mm台ぐらいだった。
いっぽうこの写真のタダフサの包丁は使用品で、研ぐ前は細かい欠けもいくつかあったのだが、「研いだことは一度も無い」とのことだった。おなじあたりの厚みを調べると0.5mm台ぐらい。これは相当な薄さなのである。たった0.2mmの違いなのだが、使ってみると誰でも明らかな違いを感じると思う。

材料の鋼板は同じようなものでも、刃先がこれほど薄くなるように側面全体を精緻に研ぎ抜いた結果、タダフサの包丁は、もとの鋼板にあった微妙な凹凸が無くなっているのではないかと考えられるのだ。
逆にいうと、本来あるのがあたりまえの側面のうねりが、タダフサの包丁には無い。
研ぎ屋としてはそういうニッチなところでスバラシイ!と感激するのである。

こういうものをテキトーな研ぎ屋に研がせると、刃先だけ大きな角度をつける乱暴な刃付けをしてしまい、元の包丁の良さが台無しになってしまうので注意が必要だ。簡易研ぎ器の類を使うこともあまりお勧めできない。

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強風!

月曜日、台風一過。晴れたので府中出張に行って来た。

店員が増えていた。
ゴンベーくん。


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茨城のモトクロスコースの、コーナーに、バイクが突っ込んできたときにケガしないように設置してある、スポンジの中から、ヒョコヒョコと出てきたのだそうだ。
捨て犬かもしれないが、近くに太陽光発電施設ができていて大規模に森林が切り開かれていたから、野犬の親がいなくなってしまったのかもしれない。まだ小さいうちでよかった。だいぶ人馴れしたそうだが、それでもそうとう臆病だ。地べたに寝そべって目線を合わせてやると寄ってくるが、頭を少しあげて見下ろすと逃げてしまう。
ゴンベーに仲良くしてもらいたいひとは、地べたに寝そべっていいようにツナギか何かを着て行こう。


海でもないのに台風余波で風がすごかった。
看板を強力ガムテで地面に張り付けておいたのに3回も倒れたので、壊れると困るので片づけてしまった。
のぼりはポールに巻き付いて見えなかった。
三脚なんかぶっ飛ばされるのは火を見るより明らかだったので動画は撮れなかった。
静止画もゆっくり撮ってる状況じゃなかったので、スナップショット的に。

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木屋の、古い、ダマスカス模様の菜切包丁。
なんか変なダマスカス模様。
模様が刃線際まできているのが、良く見るとわかると思う。しかし片面研ぎして地金が前に出てしまっているのではない。刃鉄はちゃんと刃線に出ている。刃角度がゴッツいのだ。またまたナンギな研ぎおろしである。


途中経過。

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先端のほうが、しっかりハガネが出てくれないので更に薄く研ぎおろす。

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やっちゃった!!
薄くすればいいってもんじゃありません。薄くしすぎてペラペラ剥離してしまった。お客様、ゴメンナサイ。


完成、ビフォーアフター。
ビフォーが適当に撮った写真なのでわかりにくいが、研ぎおろしてあげたらふつうのダマスカス模様になった。

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先が・・・・スミマセン。。
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府中市出張

こんどの日曜(10/29)と月曜日(10/30)に、府中市出張予定です。
お近くの方、切れない包丁・ハサミ持ってお越しください。

追記:雨天中止なので日曜は行かないかもしれません。
追記:月曜も雨予報になっちゃった!ヒ~~~!!!

追記:雨天中止の場合翌週に変更します。11月5日(日)/6日(月)

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当日オートバイご購入のお客様、包丁一本無料でお研ぎします!!(笑)


場所:東京都府中市白糸台2-11-3
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刃物研ぎ教室 11月19日

包丁研ぎ講習会のご案内 
研いでもらうより自分で研ごう!
技術は身につければ一生の宝もの!!
 

お申込みフォーム

場所 高円寺 レクトサンドカフェ
日時 2017年 11月19日(日) 13時~16時
   講義13時~14時00分 実習14時10分~16時 
定員 6名

講師 研ぎやTOGITOGI 代表研ぎ師 坂田ひろし

費用 6,000円

持ち物
講義/筆記用具
実習/ エプロン

実習で使用する包丁や砥石などは、主催者側でご用意します。
ご自分のものを持ってきて頂いてもかまいませんが、ご使用になれない場合もあります。

お申込みはこちらから↓
お申込みフォーム
申し込みフォームが機能しない方は、下記までご連絡ください。 
メール fe26cr24@gmail.com
携帯 090-4727-1056

概要
今回は、家庭用の「両刃包丁」が対象です。
包丁を研いだことがない初心者でも参加していただける内容にします。
ただし、理屈っぽいです。
「サルでもできる!すぐできる!」という内容ではなく、「正しい方法」をご教示します。
プロの方などで、どうも研ぎ方がうまくいかないという方にも、お役に立てる内容だと思います。


アクセス
 東京都杉並区高円寺南3-54-14-1F



<禁止事項>
・飲酒・酒気帯び状態での参加は禁止します。
・当日体調のすぐれない方の参加も、ご遠慮いただく場合があります。
・このほか、危険防止または円滑な会の進行のための注意事項ないし指示に従わない方は、主催者の判断で退出を命じる場合があります。

<免責事項>(いずれも主催者に重大な過失があった場合を除きます。)
・刃物によるケガや器物の損壊について、主催者は責任を負いません。
・第三者との関係で負傷や器物の損壊が生じた場合、当事者同士で解決していただきます。
・参加者の都合で講習会に参加できなかった場合や、主催者の判断で退出を命じられた場合でも、既にお支払いいただいている金銭は返金いたしません。
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